エピローグ第24話:あなたのキスを数えましょう『THREE BILLBOARDS OUTSIDE EBBING, MISSOURI(スリー・ビルボード)』徹底解剖

  • 2019.02.26 Tuesday
  • 12:02

 

 

 

 

 

ハア…ハア…

 

なぜ私が息を切らしているのかわからない人は、きっと前回を未読の人ね…

 

まずコチラから読むといいわ…

 

 

 

そ、そんな…バカな…

 

ゲホッ…ゲホッ…ゲホッ…

 

 

 

そういえばマーティンって…

 

この歌を聞くたびに苦しがってない?

 

 

『MOTHER』のラスボスか!

 

こんな大事な時にゲームみたいなこと言うなボケ!

 

 

いや…ええじゃろうの言う通りかもしれない…

 

 

なぬ!?どうゆうこっちゃ?

 

 

それでは…

 

『スリー・ビルボード』最後の秘密を解き明かそう…

 

映画とあの歌の間に隠された、重大な秘密を…

 

 

ハア…ハア…ハア…

 

 

映画『スリー・ビルボード』とは…

 

チェーホフの小説『狩場の悲劇』の舞台を、19世紀末のロシア南部の田舎町から、現代アメリカの南部へ移したものだった…

 

 

それはもう耳タコ!

 

 

そして脚本&監督のマーティン・マクドナーは、ただチェーホフの小説を再現するだけでなく…

 

「娘を失った母が、生前に愛情を上手く伝えられなかったことで激しく後悔する」

 

「移り変わる心のように髪型やメイクが毎日コロコロ変わる女」

 

「愛していた女を殺してしまった男が、そのことに苦悩して自殺する」

 

「愛する人が決して自分のものにならない辛さで暴走するヒロイン」

 

というアイデアを加えた…

 

 

そのへんもたっぷり聞いた気がする!

 

 

だけど、そのアイデアには元ネタがあったんだ…

 

それが…

 

 

ゴクリ…

 

 

小柳ゆきの代表曲『あなたのキスを数えましょう』だ…

 

 

 

ハァ!?

 

 

え?

 

 

あの曲の歌詞を再現するように、映画は作られたんだよ…

 

 

ふ、ふざけたことを!

 

 

それに、もしかしたら…

 

映画の中で象徴的なキスをした「CHIEF WILLOUGHBY(ウィロビー署長)」の名前も「小柳ゆき」から付けられたのかもしれない…

 

 

 

なんですと!?

 

 

「WILLOUGHBY」の「WILLOUGH(ウィロウ)」と「WILLOW(柳:ウィロウ)」は、よく似てるし…

 

「Chief(チーフ)」は「小さい」と「チー」の音が共通で…

 

「by」は「時や場所を通り過ぎる」という状況で使われるから「行き」に通ずるものがある…

 

だから「Chief Willough By」で「小 柳 ゆき」なんだ…

 

 

バ、バカも休み休みに言え!

 

 

マーティン…

 

このオッサンのバカは年中無休や…

 

クリスマス・イブも大晦日も正月も、バカみたいなブログをバカみたいにせっせと書いとった…

 

 

「ウィロビー署長=小柳ゆき説」は置いておくとして…

 

『あなたのキスを数えましょう』は、歌詞だけでなく、ビジュアル面でも『スリー・ビルボード』に大きな影響を与えた…

 

それが先ほどの花笠君による《深詠み映像》だ…

 

 

・・・・・

 

 

花笠君…

 

あれは君が数年前にアメリカのカラオケボックスで歌った時に流れていた映像だよね?

 

 

え、ええ…

 

でもなぜそれを教官が…

 

 

そして…

 

あのとき君が歌った『あなたのキスを数えましょう』を、『スリー・ビルボード』の監督マーティン・マクドナーが聴いていたんだ…

 

 

なんですって!?

 

あの部屋にそれらしき人物は居なかったはずだけど…

 

 

たしかに「あの部屋」には居なかった…

 

でも歌声が聴こえるところには居たんだよ…

 

あの部屋の隣の空き部屋にね…

 

 

ま、まさか…

 

 

アレハ…

 

オマエ…ダッタノカ…

 

 

あの映像を最初からじっくり見てみよう…

 

君たち、録画した《深詠み映像》を再生してくれたまえ。

 

 

アイアイサー!

 

ポチっとな。

 

 

 

 

ゲホッ…ゲホッ…ゲホッ…オエッ…

 

 

だいじょぶ?

 

 

そういや…

 

あのピアノを弾いとるオッサン…

 

 

そう。

 

あの「ピアノを弾く男」が、ウディ・ハレルソン演じるウィロビー署長のビジュアル面でのモデルだ。

 

 

 

似てる…

 

というか「そのもの」…

 

 

ハア…ハア…ハア…

 

 

そして「ピアノを弾く男」の次に「立ちつくす女」が映し出される。1番が始まるイントロ部分だね。

 

注目してほしいのは彼女の服だ。とても「皺が強調された服」なんだよ…

 

あれがフランシス・マクドーマンド演じるミルドレッドのビジュアル面でのモデルになったんだ…

 

 

ええ!?

 

 

ミルドレッドが娘アンジェラとの最後の会話を回想するシーンがあったよね?

 

その前にミルドレッドが「皺が強調された服」を着て、なぜか廊下に立ちつくすシーンがあるんだ…

 

あれは『あなたのキスを数えましょう』のミュージックビデオの再現だったんだよ…

 

 

 

うわあ…

 

顔を斜めにして悲しむポージングとシワシワの服…

 

特におっぱいの上の大きなシワなんて完璧に再現されてるよ…

 

 

たるんだ腹のように見えるシワもそうや…

 

狙わんと出来へんシワやで…どう考えても意図的やろ…

 

 

確かにあのカットは、わざわざ服の皺をアピールしてるみたいだったわ…

 

映画を観た時「監督や撮影スタッフは何をやってたのかしら?」って思わず女性目線で突っ込みたくなったけど、こういう意味があったのね…

 

 

ぐ、偶然だ…騙されるな…

 

ハア…ハア…

 

 

そして『あなたのキスを数えましょう』の1番が始まる。

 

この1番の歌詞と映像は『スリー・ビルボード』で「ミルドレッドの回想シーン」として再現された。

 

ミュージックビデオでは、まず、悲しそうに座りこむ女の姿が映し出される…

 

周りにはカラフルなキャンドルが置かれていたね…

 

あれは1番冒頭の歌詞をイメージしたものだ…

 

散らかった床の上

うずくまり膝を抱いた

 

だからミルドレッドも…

 

「カラフルな模様が散りばめられた布団の上」に座って膝を抱いたんだよ…

 

 

 

だからベッドがあんなに「ごちゃごちゃした」模様だったのか…

 

半年以上も使われていない部屋だから、さすがに床は散らかせないもんね…

 

 

そして次のフレーズの部分は、完璧に再現された…

 

守れない約束が

カレンダー汚してる

 

回想シーンの冒頭で、ミルドレッドはアンジェラと「今夜の予定」について口論する…

 

そのとき、ミルドレッドの背後の冷蔵庫には「カレンダー」が貼られていた…

 

「守れない約束」で汚されたカレンダーが…

 

 

 

あの女性シンガーの髪型が左右で違ったところもポイントだったのね…

 

「うずくまり膝を抱いた」のアングルの時は、ミルドレッドの髪型も結んだ状態…

 

そして「カレンダー汚してる」のアングルでは、ミルドレッドも髪をおろした状態…

 

 

 

さすが女性目線!

 

男はそこまで気が付かないよなあ…

 

 

ウグ…ウグググク…

 

 

そして歌詞はこう続く…

 

こんな日が来るなら

抱き合えばよかったよ もっと

Missin' you

 

「こんな日」は説明不要だね…

 

実の娘に「レイプされりゃいい!」と言ってしまい、それが「現実」となってしまった日のことだ…

 

 

 

人の前ではいつも強気にしてたけど、ミルドレッドはとても後悔してたもんね…

 

最後に交わした言葉が、あんな内容だったことに…

 

もっと素直に愛情を表現できていたらって…

 

 

 

そして回想シーンは終わり、ミルドレッドはアンジェラの部屋から出てゆく。

 

その時、出入口で何かを思い返すかのように立ちどまり、ゆっくりとドアを閉めるんだ…

 

 

きっと1番のサビのようなことを考えていたんだろうね…

 

あなたのキスを数えましょう

ひとつひとつを想い出せば

誰よりそばにいたかった

Without you but you were mine...

 

 

完璧じゃんか…

 

いつも感じられるような強引さが全くない…

 

 

ハア…ハア…ハア…

 

有り得ない…嘘だ…

 

 

ついでに、あの回想シーンで象徴的に使われた「cunt(カント)」のことも話しておこう…

 

 

 

Hey !

 

 

姉であるアンジェラに「なんで私に味方してくれないの!?」と言われて、ロビー君はこう答えた。

 

I'm always on your side when you're not being cunt.

「カント(クソアマ)じゃないなら、いつでも味方するよ」

 

それに対して母娘は「へい!」と息の合ったツッコミを入れる。

 

そしてミルドレッドはこう言った。複数形で…

 

There'll be no more 'Cunts' in this house.

「この家ではカントは禁止!」

 

 

 

それが『あなたのキスを数えましょう』と何の関係があるんや…

 

しかも複数形とか、どうでもええやろ…

 

 

「cunt(カント)」は「canto(カント)」の駄洒落になってるんだ。

 

イタリア語で「歌」を意味する言葉だね。

 

この回想シーンは『あなたのキスを数えましょう』という歌が元ネタになってるから、こんなジョークを飛ばしたんだよ…

 

 

マジですか!

 

 

そしてミルドレッドが「cunts」と複数形にしたのは、ラテン語「cantus(歌)」の駄洒落ね…

 

この家はカトリックだから、ラテン語のジョークを…

 

 

ハア…ハア…ハア…

 

お前たち…いい加減にしろ…

 

 

そしてイタリア語の「canto」やラテン語の「cantus」には…

 

「歌」という意味だけではなく、小説や物語などの「章」という意味もある…

 

『スリー・ビルボード』の物語は、チェーホフの小説『The Shooting Party(狩場の悲劇)』がベースになっているからね…

 

つまり監督のマーティン・マクドナーは、ミルドレッドにこう言わせたかったわけだ…

 

「この映画で歌や小説の話は禁止!」

 

とね…

 

 

・・・・・

 

 

「ネタバレするようなことはダメ!」っちゅうことか(笑)

 

 

だからあのシーンは「カント」にあそこまでこだわったんだな…

 

なんか変だと思ってたんだよね…

 

 

では2番へ行こう…

 

2番には、1番の比ではないくらいの秘密が隠されている…

 

 

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

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