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- 2019.04.22 Monday
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なんや?『クリード2』やと?
11月には世界で、そして年明けには日本で公開されるのを記念して、ちょっと『CREED供戮肇蹈奪ーシリーズについて語っておこうと思ってね。
「ちょっと語る」って気楽に言うけど、ロッキーシリーズを語ったらキリがないんじゃないの?
マニアックなファンも多いし。
確かにざっとネットを見ただけでも、実に多くの人がロッキーについて語っているよね…
だけど僕は「すでに語られていること」には全く興味ないんだ。
そういうのは熱心なファンに任せて、僕は「まだ誰も語っていないこと」を語ろうと思う。
誰も語っていないこと?
「ロッキー」という物語の本当の意味だ。
本当の意味!?
ロッキー・バルボアがボクシング選手として何度も栄光と挫折を行ったり来たりして、最後は人生というリングでチャンピオンになる物語じゃないの?
それだったら『ROCKY BALBOA』(邦題「ロッキー・ザ・ファイナル」)で終わってるはずだ。
完結編『ロッキー5/最後のドラマ』を作ったのにも関わらず、わざわざ「完結編のやり直し」を行ったんだよ?
シルヴェスター・スタローンは自ら脚本を書き、メガホンをとり、ロッキー・バルボアという「ひとりの男」の物語の結末を、完全に納得のいくものにしたんだ…
もうこれで十分じゃないか。
確かに1〜4のネタや名場面を挿入して、シリーズ総決算みたいな感じやったな…
あれを見てファンは誰しも納得したはずや…
「ありがとう!そして、さようならロッキー!」って…
せやからスタローンは、あんなエンドロールを用意したんやろ…
なのにスタローンは『クリード』を作ったのか…
いちおう「スピンオフ」ということになってるけど、どう見てもロッキーシリーズの続編だよね…
なんでだろ?
簡単だよ。
まだ回収していなかった伏線が残っていたんだ。
しかも超重要なやつがね…
ちょ、超重要な伏線!?
だけど当のスタローンは、この伏線の存在をすっかり忘れていた…
60歳の体にムチ打ち、過酷な肉体改造に耐え、見事『ロッキー・ザ・ファイナル』で完全燃焼したので「物語は終わった」と考えていたはずだ…
だけどスタローンに「重要な伏線」の存在を思い出させ、新シリーズの制作を決意させた男がいる…
『クリード』の脚本を書き、監督を務めたライアン・クーグラーだ。
『ブラックパンサー』で大当たりした人だね!
父の影響で超のつくほどロッキーマニアだったクーグラーは、回収されずに忘れ去られていた伏線に気付いていたはず…
そしてクーグラーは憧れのスタローンに会った時に、それを伝えたんだ…
ミスター・スタローン…
あの「重要な伏線」の回収を忘れていませんか?
重要な伏線?クーグラー君、なんだいそれは?
「フィラデルフィア問題」ですよ…
ああ!それか!すっかり忘れていた!
忘れていた私が言うのもなんだが、世間では誰も気付いていないと思っていたよ…
僕はずっと気になっていましたけどね。全てのセリフを暗記するくらい何度も観てますから…
とにかく、あの伏線を回収して、ロッキーという物語を真の意味で完結させるべきです。
でも、どうやって?
完璧なファイナルを作ってロッキーを完全に引退させちゃったし、ロッキーJr.は普通の人間にしちゃったし…
いいアイデアがあります。というか、実はもうプレゼン資料作ってあるんですけど…
まずアポロ・クリードの名前の意味をちょっと変えるんです・・・
そしてアポロの息子と難聴のシンガーソングライターを主役カップルに据えれば、すべての伏線を綺麗に回収することが出来ます…
こんなふうに…
アポロ・クリードの意味の変更?
アポロの息子?難聴の歌手?
どうゆうことだ?
どれどれ・・・
ふむふむ・・・
おお・・・
これは・・・
なんてことだ・・・
凄いじゃないか!君、天才だよ!アイ・ラブ・ユー!
ありがとうございます!ミスター・スタローン!
実はもうアポロの息子を演じる俳優も僕の中では決まっていて・・・
僕の映画『フルートベール駅で』に主演したマイケル・B・ジョーダンという人物なんですけど・・・
マイケル・ジョーダン!?
アポロの息子役をバスケの神が!?冗談だろ(笑)
マイケル「B」ジョーダンですよ。
でも彼ほどの適任者はいないんです。
だって彼の・・・を・・・とすると・・・こうなって・・・
おお!それは面白い!
よし、やろう!やろうじゃないか!
言わなくてもわかると思いますが、当ブログで語られることは実在の人物・団体とは一切関係ありません。
すべてフィクション、おかえもんの妄想です…
毎度毎度妄想を、さも見たことのようにビジュアル化しよってからに…
で、何なんや?「フィラデルフィア問題」っちゅうのは?
「なぜロッキーの舞台がフィラデルフィアになったのか?」という問題だよ。
なぜロッキーは「フィラデルフィア」在住なのか?
なぜロッキーのアパートは「Tusculum通りの1818番地」だったのか?
なぜロッキーは「フィラデルフィア美術館の階段」を駆け上がってガッツポーズをするのか?
そしてさらに、この「フィラデルフィア問題」の下には、次の問題もぶら下がっているんだよね…
なぜ主人公ロバート・バルボアの愛称は「ボブ」ではなく「ロッキー」なのか?
なぜロッキーの師ミッキーは「ユダヤ人」だったのか?
なぜ「アポロ・クリード」と戦い、後に友情が芽生えるのか?
これら回収されなかった重大な伏線の数々に、若き天才ライアン・クーグラーは気付いていたんだ。
フィラデルフィアが選ばれたのは、スタローンが子供時代に少しだけ住んでいた場所でもあるし、映画が公開される1976年の大イベント「アメリカ独立200周年」に絡めたかったからじゃないの?
フィラデルフィアは建国ゆかりの地だもんね。
そして「ロッキー」ってゆう渾名は、実在したイタリア系ボクサー「ロッキー・マルシアノ」から取られたんでしょ?
確かに世間ではそう言われている。それが正しいかどうかは別として。
では、それ以外の謎は?
なぜ1818番地なの?なぜ美術館の階段を駆け上がるの?
なぜトレーナーがユダヤ人で、アポロ・クリードが敵から親友になるの?
そんな急にたくさん言われても…
そんならどうゆう理由なんや!?
さっさと説明せえ!
ではまず、数字にまつわる面白い話からしよう…
フィラデルフィアを舞台に選んだスタローンは、雌伏時代のロッキーのアパートを「1818 Tusculum St.」に定めた。
目が出ず苦労していた時代を過ごし、エイドリアンとの最初の愛の巣にもなった部屋やな。
せやけど住所になんか意味があるんか?
もちろんだとも。
まず「Tusculum St.」は、ローマ郊外の地名から取られている。
ローマから南東へアッピア街道を25kmほど行ったところにある丘陵地帯の避暑地タスカラムだね。
アッピア街道?
どっかで聞いた覚えがあるな。
そしてこの赤レンガに書かれた「1818」という番地は、映画の中で何度も意味有り気に映し出される。
脚本を書いたスタローンにとって、どうしてもこの場所じゃなければならなかったんだ。「1818」という数字が必要だったんだね。
わざわざこの部屋の住人に謝礼を支払って撮影期間中は立ち退いてもらったくらい、こだわっていたんだよ…
なんでだろう?
ここじゃなきゃ「1818(いやいや)」ってこと?
「1818(エイティーン・エイティーン)」は…
「6+6+6・6+6+6」だよね…
6+6+6?
だから何?
そしてロッキーにまつわるもうひとつの数字といえば、有名なフィラデルフィア美術館の正面階段…
あの階段って、何段か知ってる?
段数?
そんなの超マニア以外、誰も知らないよ!
そんなことないんだな…
今でこそあの階段は「ロッキー・ステップス」なんて呼ばれているんだけど、元々は違う呼び名だったんだ…
正式には「The 72 steps」という名前なんだよね。
へえ!72段なのか!
そして「72」は「(6+6)×6」だ…
今度は(6+6)×6?
なんでそう6ばっかりを並べて…
ああ!
そうなんだよ…
スタローンは「666」という数字を物語の中に入れたかったんだよね…
「666」は覚えてる?
獣の数字!暴君ネロのことだ!
キリスト教を迫害して、使徒ペテロをローマで逆さ十字架に掛けた皇帝ネロを表す数字!
その通り。
皇帝ネロの迫害が始まった時、使徒ペトロことシメオン・バル・ヨナは、死を恐れてローマから逃走したんだったね。
Šimʿon bar-Yônā(シメオン・バル・ヨナ)
ペトロはアッピア街道を南東へと下り、アドリア海へ抜けて、そこから船で逃げるつもりだったんだ。
だけど街道の途中で目の前にイエスが現れて、こう通告する。
「お前が逃げるなら、私がローマへ行って、もう一度十字架に掛けられよう」
こうして、才能がありながら逃げてばかりだったペトロは、ついにローマへと引き返し、殉教する覚悟を決めた。
結果として弾圧に成功したネロが勝者のように見えるが、そうじゃない…
死の恐怖に打ち勝って、己の信仰を貫いたペトロが勝者なんだよね。
そしてロッキーも「666」の階段を象徴的に駆け上がり、頂上で勝者のポーズをする…
ちょ、ちょい待て…
ペトロは本名を「シメオン・バル・ヨナ」っちゅうんか?
せやったとしたら「BALBOA」っちゅう苗字と「ROCKY」っちゅう渾名は…
笑えるよね。
「BAR-YONA(バルヨナ)」が「BALBOA(バルボア)」になったんだ。
そして「ROCKY」は日本語に直訳すれば「岩ちゃん」、もしくは「ごっつい石ちゃん」…
漁師のシモンが本名とは何の関係もない「ケファ(岩・石)」というニックネームを師イエスに付けられたように…
ボクサーのロバート・バルボアも、本名とは何の関係もない「ロッキー」というニックネームを師に付けられたんだよ…
また「岩ちゃん・石ちゃん」か!
これでロッキーの師ミッキー・ゴールドミルがユダヤ人であった謎も解決する。
ミッキー・ゴールドミルは人種差別の酷かった1920年代に、ユダヤ人でありながら世界チャンピオンにまで上り詰めたという、誰よりも「少数派・非主流」の苦しみを知る男…
だから「アメリカのイタリア系カトリック教徒」という「似た境遇」のロッキーに、人一倍厳しく接したんだ。
人生で逃げてばかりだったロッキーの中に眠っている才能を見抜き、後継者になるのはこいつしかいないと考えたんだね。
そう思って映画を見ると、ボクシングの練習シーンはなかなか興味深いものがある(笑)
「女を近づけるな!女は足腰を弱らせる!」
だからローマ教皇や神父は妻帯できなくなっちゃったんだ…
でもロッキーはエイドリアンと結婚するよね…
そこもご安心を。
初代教皇となった使徒ペトロが妻帯者だったから、それに合わせてロッキーも妻帯したんだよ。
ズコっ!
ちなみにあのトレーニング・シーンには、かの有名なレオナルド・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』が隠されているんだ。
練習中のロッキーに「サインしてください!」とサイン帳を持って近付こうとする女性がいるよね?
それに対してミッキーは激怒するんだけど、あの場面が『最後の晩餐』の構図を真似ているんだ…
ああ!
どっちも「老人」が「女性」に「近づくな!」って言ってる…
そしてサンドバッグまで…
面白いよね。
そしてもうお気付きの通り、ロッキーが戦うAPOLLO CREED(アポロ・クリード)とは皇帝ネロのことだ。
APOLLOとはギリシャ神話から移植されたローマの神。他の神々はラテン語では名前が変わるんだけど、最も人気の高かった太陽神アポロはそのままにされた。
そしてCREEDは「教義・信条」という意味。
つまり「APOLLO CREED」で「ローマ神話の信奉者」という意味になっているんだ。
ローマでキリスト教が弾圧されたのは、多神教であるローマの神々を否定したからだった。
だから皇帝ネロは見せしめのためにペトロを指名し、大観衆の前で逆さ十字架に掛けた…
ちなみにネロはショーアップされたイベントが大好きで、常に人々の注目を集めようと躍起になっていたらしい…
自分が注目されたいがためだけに大観衆を集めてコンサートを開いていたりしていたそうだ…
せやからアポロもロッキーを指名して、ド派手なイベントでド派手に血祭りにあげることで、世間の注目をゲットしようとしたんやな…
JBとか呼んでコンサートまがいのこともしとったし…
暴君ネロがモデルのアポロが、その後ロッキーと仲良しになるのはなぜ?
当初は水と油だったキリスト教とギリシャ・ローマ神話も、次第に共存関係になっていったんだ。
土着の神や風習がいつのまにかキリスト教の聖人や行事の中に入っていったりね。
精神性重視の外来宗教だけでは何かが足りないんだろう。やっぱり人間には血縁・地縁に根差した土着信仰も必要なんだ。日本の仏教と神道の関係みたいなもんだよ。
ロッキーが使徒ペトロやっちゅうのはわかった。
隠された「666」もわかったし、アポロ・クリードもわかった。
せやけど舞台が「フィラデルフィア」になった理由は?
「独立200周年」以外にも理由があるんやろ?
もう答えは出ているじゃないか…
「獣の数字666」が登場するのは何だったっけ?
『ヨハネの黙示録』!
その通り。
『ヨハネの黙示録』は、小アジア、つまり現在のトルコからシリアにかけての地域にある「七つの教会」へ向けられた書簡という形をとっている。
厳しい状況の中で布教活動を行っている七教会へ向けて、信仰の迷いを取り去るために励ましたり、彼らの誤りを正そうとする手紙なんだよね。
ただ、その七教会の中で唯一「ある教会」だけを「ベタ褒め」するんだ…
その教会の信徒たちには小高い丘の上に神の家が用意されていて、鍵を持つ者によって、聖所に至る門が開かれているというんだよ…
天国への鍵の所有者っていったら使徒ペトロじゃんか…
そして、黙示録の著者ヨハネが大絶賛するその教会のある場所が…
「フィラデルフィア」なんだよね…
なんてこった!
あのフィラデルフィア美術館は、小高い丘の上にあるという神の家のことだったのか!
あの有名になった階段&ガッツポーズのシーンは…
試練の象徴である(6+6)×6段の階段を昇り切った後に、栄光の神の家の門が扉を開けて待っている…
という意味が隠されていたんだね。
つまり「ネロの迫害という試練から逃げなかったペトロの上に教会が建つ」ということなんだ…
うわあ…
それを踏まえて、あのシーンを見てみたい…
はい、どうぞ。
階段までのシーンも面白いよ。どんな意味が隠されているか注意しながら見てみて。
港に浮かぶ船が映った瞬間、ロッキーが脇目もふらず走りを加速させるのは…
ペトロが船でイタリアを脱出することを頭から捨て、死を覚悟してローマへ向かったことの再現やな…
そして「皇帝ネロ階段」を一気に駆け上がり、「私は己の弱さに打ち勝った!」と雄叫びをあげるんだ…
まさに使徒ペトロの姿…
だね。
せやけど使徒ヨハネの役割をしとるキャラがおらんやんけ…
イエスの最も愛した弟子であり、ペトロと確執があったとか無かったとか、挙句の果てにはマグダラのマリアと同一視されてまうという話題の尽きん使徒ヨハネ…
「フィラデルフィア問題」の元ネタとなった肝心の『ヨハネの黙示録』を書いた重要人物やで…
そうなんだよね…
スタローンは、そこの伏線を回収し忘れちゃったんだ。
だからライアン・クーグラーと『クリード』の登場となったわけだ。
次回後篇は『クリード』について語っちゃうよ。
今まで誰も語らなかった『クリード』の本当の物語だ…
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