コーエン兄弟・徹底解剖その3『SUBURBICON(邦題:サバービコン 仮面を被った街)』の元ネタとなった事件とは?

  • 2018.04.15 Sunday
  • 11:13

 

 

 

 

さあ!さあ!さあ!

 

早く続きを教えろ!

 

 

まあまあ落ち着いて。

 

初めてこのサイトを訪れた人は何事かと思うじゃないか。

 

前回を未読の方はコチラをどうぞ。

 

 

どうしてウェクスラーなる人物は、白人限定のレヴィットタウンの家を、黒人のメイヤーズ夫妻に売ったんだ!?

 

「意図的」だったとか「抗議のため」だったとか、いったいどうゆう意味なんだ!

 

 

これが映画『サバービコン』を生むことになった「ユダヤ人VSユダヤ人」の争いの構図なんだよね。

 

 

なに言うとんねん。「白人VS黒人」やんけ。

 

 

ウェクスラー氏は「ユダヤ人」だったんだよ。

 

 

ふぁ!

 

 

しかも左派の活動家のユダヤ人だったんだね。

 

どうも最初から「有色人種お断り」のレヴィットタウンに黒人の家族を送り込むために家を買ったようなんだ。

 

「騒ぎ」が起こることを最初から狙って、アメリカ社会に「問題提起」をしようとしたらしいんだよ。

 

 

活動家?問題提起?

 

せやけど「VS」の相手方のユダヤ人がおらんやんけ。

 

 

そんなことないよ。

 

何度もユダヤ系の名前が出て来てるじゃないか。

 

 

も、もしかして…

 

レヴィットタウンの「レヴィット」さん…?

 

 

その通り!

 

「レヴィット」という名前は、代々ユダヤ教のラビ(指導者・教師)を務めていた家系であることを示す苗字なんだよね。

 

ユダヤ人の左派活動家ウェクスラー氏は、人種分離型住宅地レヴィットタウンの開発者であるユダヤ人のウィリアム・レヴィット氏への「挑戦状」として、黒人のメイヤーズ夫妻に家を売ったんだ。

 

William Levitt(1907 - 1994)

 

このレヴィットタウンで起きた暴動事件は「白人による黒人排斥運動」という視点で語られがちだけど、そもそもの発端は「ユダヤ人VSユダヤ人」という闘いから始まったものなんだよ。

 

 

マジか…

 

 

いったいどんな人だったの、レヴィットさんって人は?

 

同じユダヤ人から、こんな過激な「挑戦状」を叩きつけられるなんて…

 

 

わかりやすく一言で言うと「ドナルド・トランプみたいな人」かな。

 

良くも悪くも「ビジネスに徹する」人物なんだ。よけいなことに目もくれず、ひたすら自身の哲学と利益に徹するんだね。

 

実際トランプにとって、レヴィットは憧れの人物だった。若かりし頃にレヴィットと初めて会った時の思い出を語るこんな動画もある。

 

 

 

おお…この人が出て来るとわかりやすい…

 

 

トランプは他にもいろんなところでウィリアム・レヴィットの話をしているから、よっぽど尊敬していたんだろうね。

 

まあ確かに、戦後のアメリカ社会に「中間所得者層でも実現できる豊かな郊外型生活」というアメリカンドリームを与えた人物だから、憧れた理由もわかる。

 

レヴィットの住宅革命は、あのヘンリー・フォードの自動車革命に匹敵すると評する人もいるくらいだから…

 

 

 

 

なるほどな。アメリカの「郊外」の父か。

 

 

ウィリアム・レヴィットは、顧客のニーズに忠実だったんだね。

 

どうやったら家がたくさん売れて、どうやったら住宅価格が上がり続けるかをよく考えていた。

 

だからレヴィットタウンを白人専用住宅地にしたんだよ。顧客が安心して購入できるようにね。

 

別に彼は極端な人種差別主義者ではないんだ。

 

 

え…?

 

 

だって当時は「人種別」がごくごく普通のことだったんだ。

 

レヴィットタウンだけでなく、他の新興住宅地も「人種別」だったんだよ。

 

 

California Newsreel 《RACE:The House We Live In》 

 

こういった郊外の住宅地は、第二次世界大戦での復員兵向けに作られたんだけど、当時の英米軍の部隊も人種別になっていたんだ。

 

米軍では黒人や日系人の部隊が大活躍をしたし、イギリス軍ではユダヤ人部隊がヨーロッパ・中東戦線で大貢献をした。

 

ジャズのビッグバンドも白人と黒人は基本的に別々だったよね。

 

ゴルフのカントリー・クラブへの入会なんかでも「有色人種お断り」のみならず「ユダヤ人お断り」もよくあることだった。これが原因で映画を作ったユダヤ系の映画人もいたくらいだ…

 

 

『紳士協定』のダリル・F・ザナックやな…

 

Gentleman's Agreement(’47)

 

だからウィリアム・レヴィットの「白人専用住宅地」というのは、決して特別なことではないんだね。

 

一番最初に作ったニューヨーク州ロングアイランドのレヴィットタウンでは、ユダヤ人も「お断り」だったらしい…

 

 

ふぁ!?自分もユダヤ人なのに!?

 

 

彼は根っからのビジネスマンなんだよ。特別な思想性があるわけではなく、顧客のニーズに敏感なだけなんだ。

 

だから「レヴィットタウン」が「人種差別的」だと「全米有色人地位向上委員会」など様々な人権団体から非難されても全く動じなかった。

 

公民権運動の高まりを受けて連邦住宅局がレヴィットタウンへのローン停止をちらつかせるようになっても、レヴィットは頑なに「白人専用」を貫こうとしたんだよ。

 

そのほうが売れるんだから仕方ない。

 

ただ、唯一思想性があるとしたら、強力な「反共・イスラエル支持者」だったことくらいかな…

 

 

キャノン・フィルムズで映画界に大旋風を巻き起こしたメナハム・ゴーランみたいな奴やな…

 

THE GO GO BOYS(キャノンフィルムズ爆走風雲録)

 

 

よく似てるかもしれないな、レヴィットとトランプとゴーランは…

 

良くも悪くも「自分のお客さん」が喜ぶことだけにしか興味がないんだ。

 

 

だからウィリアム・レヴィットは、左派の活動家ウェクスラーさんの「挑戦」を受けることになったんだね…

 

ウェクスラーさんは、同じユダヤ人としても黙っていられなかったんだ…

 

 

だろうね。

 

 

しかし、ようそんな話を見つけてきたな。

 

映画『サバービコン』関連で調べても、どこにも出てきよらへん。

 

 

僕も偶然見つけたんだ。ボルチモアのJewish Timesに興味深い記事があったんだよね。

 

デイヴィッド・クシュナーというルポライターが、レヴィットタウンにおけるこの「ユダヤ人VSユダヤ人」という構図をテーマに本を書いたらしいんだ。(記事はコチラ

 

 

「クシュナー」ってトランプの娘イヴァンカさんの旦那さんと同じ苗字だ。

 

 

だね。

 

「金のためなら何でもやる」という「古典的ユダヤ人イメージ」をもつウィリアム・レヴィットと、「リベラルで先進的」という「現代アメリカの典型的ユダヤ人イメージ」をもつ活動家のウェクスラーとの「争い」を描くことで、当時の米国ユダヤ社会の実像に迫った本らしいよ。

 

 

なるほどな。

 

そんでコーエン兄弟の『サバービコン』には、この両者の対立構造が主人公家族に投影されとるというわけか。

 

 

だね。

 

コーエン兄弟は、実際にあった「白人住宅地での黒人排斥暴動事件」を物語のベースにしたにもかかわらず、事件の発端となった「ユダヤ人同士の対立」の存在をあえて隠したんだ。

 

そしてそれを主人公のロッジ家の中に落とし込んだんだね。

 

「金のためなら何でもやる」という「古典的ユダヤ人イメージ」を、マット・デイモン演じるガードナー・ロッジと「後妻」マーガレットに…

 

「リベラルで先進的」という「現代アメリカの典型的ユダヤ人イメージ」を、「先妻」ローズと息子のニッキーに…

 

 

 

 

 

ジュリアン・ムーアの役が「双子」なのも、これで意味がわかったわ。

 

同じユダヤ人の中にある「二面性」を表しとったんやな。

 

アメリカの国内問題を語る時は「リベラル」なのに、中東イスラエル問題を語る時はごっつ「保守的」になる。

 

 

双子姉妹が入れ替わることで、いろんな読み方が出来て面白いよね。

 

でも、ちょっと難しかった。アメリカ人でさえ、この「ユダヤ人VSユダヤ人」の構図に気が付かないほどなんだから…

 

 

だから30年以上もお蔵入りだったのか…

 

 

それに、ほぼ同じテーマで、もっと面白い物語『バートン・フィンク』が書けちゃったからね。

 

『サバービコン』の次は、どっちを解説しようかな…

 

延長線上にある代表作『バートン・フィンク』か、それとも彼らの原点であるデビュー作『ブラッド・シンプル』か…

 

どっちも重要なんだよね…

 

 

そりゃ『バートン・フィンク』やろ。人気も知名度も圧倒的や。

 

 

でも、系統立てて解説していくんなら、第1作目から順に行くのがいいんじゃない?

 

 

う〜ん。迷うなあ…

 

それじゃあ…

 

どっちから書くかは、次回のお楽しみと言うことで…

 

 

よっしゃ!

 

春のコーエン祭りはまだまだ続くぞ!

 

 

 

JUGEMテーマ:映画

コーエン兄弟・徹底解剖その2『SUBURBICON(邦題:サバービコン 仮面を被った街)』の本当のテーマとは?

  • 2018.04.14 Saturday
  • 20:31

 

 

 

さあ、映画『サバービコン』に隠された本当のテーマ「ユダヤ人VSユダヤ人」を解説してよ、おかえもん!

 

コーエン兄弟とジョージ・クルーニーは、なぜそんなテーマを描きたかったのさ?

 

 

はいはい。その前に前回を未読の人はコチラをどうぞ。

 

 

さて、30年越しとなった今回の映画化なんだけど、ジョージ・クルーニーというより、彼のビジネス&創作パートナーである脚本家グラント・ヘスロヴの「思い」のほうが強かったんじゃないんかな。

 

Grant Heslov

 

元々俳優だったヘスロヴは、クルーニーと共同で映画製作会社Smoke Houseを設立し、『グッドナイト&グッドラック』やアカデミー賞作品『アルゴ』の脚本を手掛けた。

 

そして彼もユダヤ系なんだ。

 

 

『サバービコン』の脚本にクレジットされとる「この4人」のうち、ジョエルとイーサンのコーエン兄弟とヘスロヴの3人がユダヤ系で、クルーニーはカトリック教徒…

 

みんなアメリカでは少数派やな。

 

 

だね。それでは映画のほうを見ていこう。

 

主な登場人物はロッジ家の4人と保険屋、強盗の2人組、そして隣人の黒人家族だ。

 

まずは主人公家族のロッジ家から。

 

 

ニッキー役のノア・ジュペ君の演技は必見なんだよね!

 

 

 

4人家族?

 

3人やんけ。

 

 

ジュリアン・ムーアがひとりで双子の姉妹を演じてるんだよ。

 

ガードナーの奥さんであるローズと、その双子の姉妹マーガレットをね。

 

ローズの死後、ガードナーとマーガレットは「ほぼ夫婦」になるんだ。

 

 

し、姉妹どんぶり…

 

しかも双子の…

 

 

そうゆうのってアリなの?

 

 

ナシだよね。

 

アメリカはもちろん、地球上のほとんどの地域でタブーとされている。

 

このように夫が妻の姉妹と「夫婦」になることを「ソロレート婚」というんだ。

 

まさに禁断だね。

 

 

やっぱりよくないよね…

 

ちなみにその逆はどうなの?

 

 

逆パターン(妻が夫の兄弟と結婚)は「レビラト婚」だ。

 

こちらも「ソロレート婚」同様に多くの地域でタブー視されていて、キリスト教の教会法でも中世の頃から禁じられていた。

 

だけど「レビラト婚」は「ある民族」や「ある時期」では認められるんだね。

 

 

へ?

 

 

例えば戦時期なんかは特例的に認められることがある。

 

男は戦争でたくさん死んでしまうからね。日本でも戦時中や戦後の混乱期は「レビラト婚」が認められた。

 

そして一部の民族では普段から認められていて、結構ポピュラーだったりする。

 

特にユダヤ教では「レビラト婚」を推奨していたくらいだ。

 

 

オッサンは「ロッジ家は実はユダヤ人家族だ」って言っとったけど、姉妹どんぶり「ソロレート婚」はアウトやんけ!

 

姦淫や!十戒違反や!

 

 

今は禁止されてるけど、ユダヤ世界ではかつて「ソロレート婚」も「合法」だったんだよ。

 

ある時点から禁止されたんだよね。

 

 

し、姉妹どんぶりが…ご、合法!?

 

 

神から「イスラエル」という称号をもらった偉大なる民族の始祖「ヤコブ」が「ソロレート婚」をしていたからね。

 

ヤコブは「レアとラケル姉妹」と結婚していたんだ。

 

 

梯子の夢を見て、天使とレスリングした、あのヤコブか!

 

 

そう、あのヤコブ。

 

妻となったレアとラケル姉妹はヤコブの子供をどんどん産み、計12人の息子たちが後の「イスラエル十二支族」の始祖となった。

 

正確に言うと、そのうち4人の子供は姉妹所有の女奴隷に「代理出産」させたんだけどね。

 

まあとにかく、ヤコブはユダヤ人にとって途轍もなく偉大な人物だ。

 

 

ユダヤ界のビッグダディだな!

 

 

4人の女に子供を産ませたヤコブなんだけど、最初はラケルに一目惚れして、彼女の父親ラバンに結婚を申し込んだよね。

 

だけどラバンは結婚式でラケルと姉レアをすり替えた。

 

 

ハァ!?

 

 

父としては姉を先に片付けたかったんだ。親心だね。

 

 

気持ちはわかるけど、結婚式当日って…

 

 

びっくりだよね。

 

ヤコブは騙されたことに激怒した。

 

 

っちゅうかヤコブ自身も「すり替わり」で父イサクを騙し、長子の相続権をゲットしとったやんけ…

 

それが原因でカナンの地から逃げとったはずや。

 

 

まあ、そうなんだけどね。

 

でも神はそれを歓迎したんだ。むしろ醜い兄エサウより、ハンサムな弟ヤコブのほうが相応しいと…

 

 

人間、見た目も大事だな…

 

 

さて、騙されて怒り心頭のヤコブは、ラバンに妹ラケルも妻にすることを要求する。

 

ラバンはOKしたんだけど条件を出した。

 

自分のもとでの「7年間の労役」という条件をね。

 

そしてヤコブは7年間耐え、晴れて本命だったラケルを妻にする…

 

 

これって『サバービコン』の主人公ガードナーの元ネタじゃないの?

 

ガードナーも元々はローズじゃなくてマーガレットが本命だったんだ…

 

それで何年も我慢していたんだな…

 

 

だろうね。

 

そしてガードナーには、ヤコブ以外にも多くの「著名ユダヤ人」のイメージが投影されている。

 

この「子供用自転車に乗る」シーンなんて笑えるよね。

 

 

 

これのどこが「ユダヤ人」なんだ?

 

 

「子供用自転車」が「ロバ」の喩えなんだよね。

 

そしてガードナーは「腹から血」を流している…

 

 

ロバ…?腹から血…?

 

ああ!ナザレのイエスか!

 

 

そして、その隣からガードナーを不審そうに睨んでいるのは「フォルクスワーゲンのビートル」に乗った「太った白人の男」

 

ここでは「ドイツ車」であることが重要なんだ…

 

なぜなら、これは「ナチスによるユダヤ人迫害」の投影だから…

 

 

げげぇ!

 

 

この構造を理解することで初めて、

 

「ガードナーさん、あなたもしかしてユダヤ人?」

 

「いえ、エピスコパリアン(米国聖公会の信徒)です」

 

というジョークの意味がわかるんだよね。

 

 

ワーゲンビートル…

 

コーエン兄弟のデビュー作『ブラッド・シンプル』と全く同じやんけ…

 

しかも乗ってるのが「太った白人の男」で、名前がドイツ系の「Visser」やった

 

 

M. Emmet Walsh as Lorren Visser

 

 

そういえば…

 

『バートン・フィンク』に出てきた「チャーリー」も「太った白人の男」だった…

 

そして実はドイツ系だったんだよね…

 

 

John Goodman as Charlie(Karl Mundt)

 

 

そうなんだよ。

 

コーエン兄弟が80年代に書いた3本のシナリオ『ブラッド・シンプル』『サバービコン』『バートン・フィンク』では、「ユダヤ人」である主人公にまとわりつく人物は皆「太ったドイツ系の白人男」なんだよね。

 

さすがに『バートン・フィンク』は1941年という設定だったので「ワーゲンビートル」は出て来なかったけど。

 

 

そうゆうことだったのか…

 

でも「ユダヤ人VSユダヤ人」っていう構図は、映画の中のどこにあるの?

 

 

「ガードナー&マーガレット VS ローズ&ニッキー」だね。

 

前者のコンビと後者のコンビは、同じユダヤ人だけど異なる価値観をもっているんだ。

 

 

ロッジ家の中で「ユダヤ人VSユダヤ人」の争い!?

 

なんで!?

 

 

だって隣に引っ越してきた黒人ファミリーの苗字がMayers(メイヤーズ)なんだもん。

 

この部分だけが実話なんだよね。ここがヒントなんだ。

 

 

実話!?ヒント!?

 

 

「白人だけの新興住宅地に、黒人のメイヤーズさん一家が引っ越してきて暴動になる」ってところは、1957年に実際に起きた話なんだよ。

 

 

 

綴りは違うけど、確かにどちらも「メイヤーズさん」だ…

 

 

当時のニュース動画もあるよ。

 

Crisis in Levittown, PA

 

 

レヴィットタウン?

 

サバービコンとちゃうんか?

 

 

「レヴィットタウン」というのは、第二次世界大戦後から60年代にアメリカ各地でたくさん作られた新興住宅地のブランド名なんだよね。

 

「サバービコン」は「レヴィットタウン」をモデルにしてるんだ。

 

白人住人によるメイヤーズさん一家への排斥運動が起きたのは、大型プロジェクトとしては2番目に作られたペンシルベニア州のレヴィットタウンにおいてだった。

 

 

てか、なんでメイヤーズさんは家を買えたのさ?

 

レヴィットタウンもサバービコンみたいに「有色人種」の不動産購入は禁止だったんでしょ?

 

 

そう。「有色人種」は不動産業者から買うことは出来ない。

 

 

業者はアカン?

 

せやったら「住人の誰か」から直接買ったっちゅうことか?

 

 

そうなんだよ。

 

メイヤーズ夫妻は、ウェクスラーという住人からレヴィットタウンの家を買ったんだね。

 

不動産屋では「有色人種お断り」だったんだけど、住人同士の売買には「人種の禁止事項」が無かったようなんだ。

 

まさか黒人に転売する住人が現れるなんて想定してなかったんだろうね。その盲点を突いたんだよ。

 

 

でも、白人専用の住宅地に黒人の自分たちが住んだら、大変なことになるってわかるでしょ…

 

 

もちろん。

 

だってそれが目的だったんだから。

 

 

へ?

 

 

このウェクスラー氏からメイヤーズ夫妻への転売は「意図的」だったんだよ。

 

レヴィットタウンに「抗議するため」に行われたことなんだ。

 

そもそもが「騒ぎを起こすこと」が狙いだったんだね…

 

 

ハァ!?

 

 

 

じゃあ、続きは次回の講釈で。

 

ちゃお!

 

 

 

 

JUGEMテーマ:映画

コーエン兄弟・徹底解剖その1『SUBURBICON(邦題:サバービコン 仮面を被った街)』ってどんな映画なの?

  • 2018.04.13 Friday
  • 14:39

JUGEMテーマ:映画

 

 

 

 

さて、5月4日に公開される映画『SUBURBICON(邦題:サバービコン 仮面を被った街)』の話をしようか。

 

 

プロローグを未読の人は、こちらをタップ!

 

 

(コーエン兄弟・徹底解剖 プロローグ)

 

 

映画『サバービコン』の脚本は、約30年間も「お蔵入り」のままだったんだ。

 

流れをまとめると、こうなる。

 

 

<コーエン兄弟ざっくり年表>

 

 

1980年頃〜

デビュー作『ブラッド・シンプル』製作開始

 

1984年

『ブラッド・シンプル』発表

 

 

1985年

サンダンス映画祭審査員大賞&インディペンデント・スピリット賞の監督賞を受賞

 

この頃から『サバービコン』の脚本を書き始める

 

20世紀FOXと契約

 

1987年

初メジャー作『Raising Arizona(邦題:赤ちゃん泥棒)』発表

 

 

 

1990年

『Miller's Crossing(邦題:ミラーズ・クロッシング)』発表

 

 

1991年

『BARTON FINK(邦題:バートン・フィンク)』発表

 

カンヌ国際映画祭にて史上初のパルムドール・監督賞・主演男優賞の三冠達成

 

 

その後も『ファーゴ』『バーバー』でカンヌ映画祭の監督賞を受賞し、カンヌ史上唯一の「監督賞3回獲得者」となる

 

2017年

『サバービコン』映画化(ジョージ・クルーニー監督)

 

 

 

プロローグでの話やと、デビュー作『ブラッド・シンプル』で「ちょっとだけ使ったネタ」を膨らましたんが『サバービコン』やったんよな。

 

そんで、それと「同じテーマ」でもっとオモロイ話『バートン・フィンク』が書けたんで、『サバービコン』はお蔵入りになった。

 

 

その通り。『サバービコン』と『バートン・フィンク』のテーマは同じものなんだ。

 

そしてその原点はデビュー作の『ブラッド・シンプル』にあったんだよね。

 

 

『ブラッド・シンプル』はインディペンデント映画の金字塔と称されとって、『バートン・フィンク』は映画史に残る傑作と呼ばれとる。

 

せやけど『サバービコン』の評価はイマイチ…っちゅうか、ハッキリ言ってボロクソやな。

 

 

Rotten Tomatoes(ロッテントマト)見ると、見事なまでに酷評の嵐だ…

 

あそこまでケチョンケチョンに書かれるのも珍しいよね…

 

 

読んでみると、ほとんどの人がこんなことを書いている。

 

「主人公の白人家庭での事件と、隣人の黒人家庭のストーリーが最後まで絡み合うことがない。何がしたかったのか意味不明だ」

 

しかも多くの批評家が「怒り」を込めて、これを訴えているんだよね。

 

 

なんでみんな怒っているんだろう?

 

 

映画が公開される直前に起きた「シャーロッツビル事件」に引きずられているんじゃないかな?

 

8月12日にバージニア州シャーロッツビルで、白人至上主義・人種分離主義者の集会に抗議していた人たちに向かって白人至上主義者の男が車で突っ込み、多くの死傷者を出した事件だ。

 

 

『サバービコン』は2017年の10月下旬に一般公開されたんだけど、批評家たちは9月初め頃に映画を観てレビューを書いているんだ。アメリカ国内が、この事件をめぐって騒然としていた頃だよね。

 

『サバービコン』の中で偶然にも同じように「白人共同体での黒人排除」が描かれているもんだから、その描き方が「中途半端」だと感じたんだろう。

 

 

せやけど映画が作られたんは、事件のずっと前のことやんけ。

 

しかもコーエン兄弟が脚本を書いたんは、30年以上も前のことや。シャーロッツビル事件は全く関係あらへん。

 

 

そうなんだよね。

 

でも、それくらい2017年の9月初頭のアメリカ社会は憤っていたんだよ。

 

だからジョージ・クルーニーもコーエン兄弟も「反論」出来なかったんじゃないかな?

 

 

反論?

 

 

そもそも「あの黒人家族は物語の本筋とは無関係」なんだよ。

 

最初から白人家庭で起きる事件とは無関係な存在として設定された家族なんだ。

 

 

 

ええ!?最初から無関係な存在!?

 

 

あの黒人家族は、マット・デイモン演じる主人公家族の「引き立て役」なんだよね。

 

あの黒人家族が街の白人たちに「嫌がらせ」をされればされるほど、主人公の恐怖心が増していくような構造になっているんだ。

 

だからあえて本筋に「絡ませない」手法をとっているんだよ。

 

 

そういや、『サバービコン』の前に書かれた作品『ブラッド・シンプル』でも同じようなことやっとったな…

 

主人公の酒場で働く黒人バーテンダーは、登場シーンもセリフも多いのに、物語の本筋には全く無関係やった…

 

周りは白人だらけで、映画に出て来る黒人はそいつただ一人やったのも同じや…

 

 

そうなんだよ。

 

僕も『サバービコン』の脚本を読んだあとに『ブラッド・シンプル』を初めて観て驚いた。

 

全く同じ手法を使っているんだね、コーエン兄弟は。

 

 

どうしてわざわざそんなキャラを作る必要があるの?

 

周りは全部「白人」なのに、ポツンとその中に無関係な「黒人」キャラを…

 

 

「見えない差別の恐怖」を描くためだよ。

 

見た目は「白人」の「ユダヤ人」に対するアメリカ社会の根強い差別意識をね。

 

物語の中で「ユダヤ人であることを隠しているキャラ」の隣に「わかりやすく差別されている黒人」を置くことにより、見た目が「白人」である「ユダヤ人」は「出自が知れたら自分も黒人みたいに差別される側になってしまう」と恐怖を感じる。

 

これによって、WASP(白人主流派)には見えない「かつて在米ユダヤ人が抱えていた恐怖心」をジワジワ描くことが可能になるんだ。

 

 

ゆ、ユダヤ人!?

 

 

『サバービコン』でマット・デイモン演じる主人公ガードナー・ロッジと、『ブラッド・シンプル』でダン・ヘダヤ演じる主人公ジュリアン・マーティーは、表向きキリスト教に改宗しているユダヤ人なんだよね。

 

 

ま、ま、マジで!?

 

 

別に驚くことじゃないよ。だってコーエン兄弟自体がユダヤ人だからね。

 

『バートン・フィンク』でも主人公はユダヤ人だったでしょ?

 

それに、コーエン兄弟はデビュー作『ブラッド・シンプル』を撮るお金が無くて、制作資金を「HADASSAH」に頼ったんだ。

 

 

は、はだっさ?

 

 

「ハダッサ」とは、アメリカのユダヤ人女性による協会なんだ。

 

「ハダッサ」という名前は、旧約聖書「エステル記」に出て来る主人公「エステル」のユダヤ名のことなんだよね。

 

 

「エステル」っちゅうたら、ユダヤ人であることを隠してペルシャ風にエステルと名乗り、ペルシャ王クセルクセスの妃となって、ユダヤ人絶滅計画の危機を救ったっちゅう、ユダヤ史の中でも屈指の英雄やな。

 

 

その通り。だから「ハダッサ」の正式名称は「Hadassah, the Women's Zionist Organization of America」って言うんだ。

 

つまり「ユダヤ系アメリカ人女性によるシオニズム団体」なんだね。

 

 

わお!

 

 

ユダヤ民族悲願のイスラエル国家建設のために1910年代に設立され、全米に広がる強力なネットワークで膨大な資金を集めて運用し、イスラエルに病院や大学を建設している団体なんだよ。

 

若き日のコーエン兄弟は、故郷ミネソタ州ミネアポリスにあるハダッサの支部に出向き、自分たちの映画をアピールし、出資を求めたんだ。

 

そしてハダッサ会員の富裕ユダヤ人女性100人の名簿をゲットし、一人一人訪ね歩いた。

 

そうして60人から合計150万ドルの制作資金を得て、ついに映画が制作できることになったというわけ。

 

 

そうだったのか!

 

 

僕にはコーエン兄弟がユダヤ人女性たちに映画へ出資させるため必死で口説いている姿が手に取るように目に浮かぶ…

 

「この映画は、ユダヤ民族の危機を救った士師記の女預言者デボラの物語をベースにした映画なんです!強いユダヤ女性の物語なんです!だから出資してください!」

 

 

士師記?デボラ?

 

 

エステルに並ぶユダヤ女性の英雄だよ。当時のユダヤ民族のリーダーだったんだ。

 

『ブラッド・シンプル』って映画は、旧約聖書やタルムードがベースになっていて、特に女預言者デボラの物語が重要なモチーフになってるんだよ。

 

そのあたりは『サバービコン』の話が終わってから、たっぷりと説明するとしよう…

 

まあとにかく、『ブラッド・シンプル』のテキサス男たちは堕落してて、登場する二人の女が逞しいのはそういう理由なんだ。そうじゃないと出資してもらえないからね。

 

何と言っても映画の出資者が、全員ユダヤ人女性たちだったわけだから。

 

 

そんな経緯があったのか…

 

 

そして『サバービコン』の日本語タイトルには「仮面を被った街」という副題が付いているよね?

 

だけど本当に仮面を被っているのは「街」じゃなくて「主人公」なんだ。

 

 

へ?

 

 

旧約聖書のエステル同様に、自身の「ユダヤ人」という出自を隠して生活していたんだよ、マット・デイモン演じる主人公ガードナー・ロッジ(Gardner Lodge)は。

 

名前の意味を考えてみれば、すぐにわかるよね。

 

 

名前の意味?

 

 

「Gardner」の中の文字を並べ替えると「Grander」になるんだ。

 

「Grander Lodge」って笑えるよね。

 

 

なんで?

 

 

フリーメイソンの本部を「Grand Lodge(グランドロッジ)」って言うでしょ。

 

フリーメイソンは言わずと知れた秘密結社だよね。世界各地にあって、様々な分野で大きな影響力をもつと言われている。

 

マット・デイモン演じる主人公は、それよりも「すごい(グランダー)」というわけだ。

 

これは彼がユダヤ人であることを示すジョークだね。フリーメイソンとユダヤ人は「陰謀論」でよく一緒に語られる「世界を牛耳る二大ネットワーク」だから。

 

 

うわあ!そうゆうことか!

 

 

映画の中で、ご近所さんに「もしかしてあなたはユダヤ人なの?」って聞かれるシーンがあるんだけど、マット・デイモン演じる主人公は焦りながら否定するんだ。

 

「いいえ。私はエピスコパリアン(米国聖公会の信徒)です」って。

 

 

聖公会って、アメリカの主なキリスト教団体の中で最もリベラルな教会だったね。だから東海岸のインテリ系やユダヤ系の人が信徒に多かったんだ。

 

前に紹介した映画『LOVE, SIMON(邦題:ラブ、サイモン)』でも、「聖公会とユダヤ人」がキーワードだったな。

 

(タップで紹介記事に行きます)

 

 

聖公会は「同性愛」や「人工中絶」を認めていて、リベラルな思想をもつ人が多いユダヤ系と親和性が高いんだよね。

 

だから『サバービコン』の主人公ガードナー・ロッジは「私は聖公会です」って誤魔化したんだ。

 

 

そうゆうことか!

 

 

それに、そもそも映画に出て来る郊外の新興住宅地「サバービコン」は、都市の中心部で「有色人種」と一緒に住むのが嫌な白人のために作られた場所なんだよ。

 

だから街の住民が黒人家族を追いだそうとするのは、ある意味「当然」のことで、それまで「仮面を被っていた」わけでもなんでもない。

 

だって「サバービコン」では、黒人が家を買うことが禁止されていたわけだから。

 

「有色人種」がいないことが売りだった住宅地だから、住民は「話が違う!地価が下がるじゃないか!」って猛反発したんだよね。

 

 

ちょっと待てェ。

 

有色人種が購入禁止の住宅地やったんなら、なんで黒人家族が家を買えたんや?

 

 

そこが映画『サバービコン』に隠されている「本当のテーマ」を読み解くカギなんだよね。

 

目に見えてわかる「白人VS黒人」という構図は、ただのカモフラージュなんだよ。

 

この映画の物語の真の目的は、ユダヤ人を直接的に描くことなく「ユダヤ人VSユダヤ人」という闘いを描くことにあるんだ。

 

 

ハァ!?

 

 

コーエン兄弟はそのテーマで映画を作りたくて『サバービコン』を書いたんじゃないかな。

 

だけど、同じテーマでもっと面白い物語『バートン・フィンク』が書けたので、『サバービコン』をお蔵入りにしたんだよ。

 

きっとね。

 

 

「白人による黒人差別」という描写が「ただの見せかけ」で、本当のテーマが「ユダヤ人VSユダヤ人」だったなんて…

 

 

コーエン兄弟やジョージ・クルーニーは、映画の上辺だけ見て「駄作」と決めつける批評家たちに、きっとそのことを説明したかったに違いない。

 

でもそれが出来ない空気だったんだろうな、去年の秋頃は。

 

「あの黒人家族は物語の本筋とは関係が無い」なんて、とてもじゃないが言えない状況だったんだろう。

 

だから僕は、きちんとこの映画の本当の意味を伝えたい。

 

 

毎度のことながら意味不明の使命感やな…

 

 

僕は映画というものを愛しているんだ。

 

 

ねえねえ、能書きはいらないから早く教えてよ!

 

 

では、続きは次回の講釈で。

 

 

 

コーエン兄弟・徹底解剖<プロローグ>〜『SUBURBICON(サバービコン)』『BLOOD SIMPLE(ブラッド・シンプル』『BARTON FINK(バートン・フィンク)』

  • 2018.04.12 Thursday
  • 17:35

JUGEMテーマ:映画

 

 

 

 


 

ん?ここはどこ?

 


 

引っ越ししたんとちゃうか?

 


 

その通り。ここが僕らの新しいフィールドだ。

 

JUGEMはJASRACと契約しているから歌詞も載せられる。noteに書いてた昔の記事も、順次こちらに引っ越すつもりだ。

 

量が多くて手間がかかるけど、ちょっとずつやっていくしかないね。

 


 

一発でインポート出来たら楽チンなのに…

(タップでnoteの旧ページへ行きます)

 


 

未完の『カズオ・イシグロ徹底解剖』だけでも全70話もあるさかいな…

 

さらに未完の「クリストファー・ノーランと宮崎駿」シリーズも30話以上ある。

 

骨の折れる難儀な作業や。

 


 

もう一人の自分が欲しいところだよね。いや、もう二人くらい…

 


 

オッサンみたいなケッタイな人間、二人も三人もいたらウザいわ!

 


 

冗談だよ。でも、いたらいいなあ。

 


 

そんな話はどうでもいいんだけど、今回のタイトル…

 

コーエン兄弟って…

 


 

ま、また未完のまま別シリーズを始めるんか!?

 

いったいどれだけ未完シリーズを作ったら気が済むねん!

 

 

 

でもね、カズオ・イシグロと無関係じゃないんだ…

 

イシグロ文学を語る上で、コーエン兄弟は欠かせないことに気づいたんだよ…

 


 

ハァ!?

 


 

少なくとも僕の読んだイシグロ作品の『日の名残り』と『夜想曲集』に関しては、コーエン兄弟の初期作品の影響が非常に大きい…

 

いや…

 

もしかしたら相互に影響し合っているのかもしれないな…

 

コーエン兄弟もイシグロ作品に影響を受けているのかも…

 

 

Coen brothers(Ethan&Joel)

 


 

ま、マジですか!?

 


 

うん。たぶん間違いないね。

 


 

せやけど、なんで今頃になって急に…

 

そこまで自信満々に言い切るんなら、最初から言えや。

 


 

だって僕、コーエン兄弟作品は『ファーゴ』『オー・ブラザー!』『ビッグ・リボウスキ』しか観たことなかったからね。

 

デビュー作『ブラッド・シンプル』や出世作『バートン・フィンク』など初期作品は未見だったんだ。

 


 

カンヌ国際映画祭で史上唯一の「パルムドール・監督賞・最優秀男優賞」の三冠に輝いた名作『バートン・フィンク』を観たことなかったのか…

 

コーエン兄弟の代表作でしょ…

 


 

このオッサンを「常識」というモノサシで計っても無駄や…

 

さすが『ダークナイト』を観ずしてクリストファー・ノーランを語りまくる男だけのことはある…

 


 

普通の映画好きとは全く異なる道を歩んできたことが僕のウリというか武器なのかもしれないな…

 

40歳を過ぎて映画ライターを始めるまで、十数年間も映画を観てなかったし。

 


 

それ自信満々に言うことじゃないでしょ…

 


 

しかし何で急にコーエン兄弟の初期作品を観たんや?

 

カズオ・イシグロ『夜想曲集』第3話の解説を始めたばかりやっちゅうのに。

 


 

そもそものきっかけは、5月に劇場公開される映画『SUBURBICON(邦題:サバービコン 仮面を被った街)』なんだ。

 


 

ああ、おかえもん注目の子役ノア・ジュペ君が出てた映画だね!

 

 

(タップでnoteページへ行きます)

 

 

そう。今アメリカでは、ノア・ジュペ君が出演してる映画『A QUEIT PLACE』が大ヒットしてるんだよね。

 

そしてノア・ジュペ君が注目されるようになったきっかけの映画が、2017年の秋に公開された『サバービコン』だったわけだ。

 

『サバービコン』での演技を見て、『A QUEIT PLACE』の監督ジョン・クラシンスキーは起用を決めたらしい。

 

 

その『サバービコン』は、コーエン兄弟がデビュー直後に書いた「お蔵入り」脚本を、ジョージ・クルーニーがリライト&監督したんやったな。

 

クレジットも「脚本:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン、ジョージ・クルーニー、グラント・ヘスロヴ」となっとる。

 

 

その通り。

 

仕事でこの作品のことを色々調べているうちに気付いたんだよね。コーエン兄弟の初期作品とカズオ・イシグロ作品の関連性を…

 

まず『サバービコン』の脚本を読んで「あれ?」って思ったんだ。

 

 

どゆこと?

 

 

コーエン兄弟の「とんでもない仕掛け」が施されてたんだよ。

 

ロッテントマトのレビューも片っ端から読んでみたけど、アメリカ人も勘違いしてる。映画の「本当のテーマ」に誰も気付いていないんだ。

 

 

来たな、いつものパターン。例によってオッサンの深読みっちゅう可能性もあるで。

 

 

確かに僕も半信半疑だったね、その時はまだ。

 

だけど次に『バートン・フィンク』を観て、僕は震えが止まらなくなった…

 

僕の推理のまんま…いや、それ以上だったんだ…

 

 

またまた大袈裟な(笑)

 

 

そして最後に『ブラッド・シンプル』を観て、これはもう笑うしかないと思ったね。

 

だって、僕が今まで「カズオ・イシグロ徹底解剖」でシコシコ書いてきたことの全てが、コーエン兄弟の初期作の中にあったんだから…

 

 

す、すべてが!?

 

 

うん、すべてがね。

 

1980年代にコーエン兄弟によって書かれた3本の脚本『ブラッド・シンプル』『サバービコン』『バートン・フィンク』の中に、ノーベル文学賞作家カズオ・イシグロの『日の名残り』と『夜想曲集』を読み解くカギが全て揃っていたんだ。

 

僕はそれを証明しようと思う。

 

 

また壮大なスケールになる予感…

 

なるべく手短にお願いします…

 

 

確約は出来ないけど、そう心がけるよ…

 

「クリストファー・ノーラン」や「ルネ・クレマン」、そして「アラン・ドロンとロミー・シュナイダー」など、再開しなきゃいけないシリーズが山積みだしね…

 

(ホントにそう思ってるのかな…)

 

 

ということで、まずは『サバービコン』の話から始めよう。

 

この映画、コーエン兄弟ならではの含蓄のある作品なんだけど、ちょっと予備知識がないと「本当のテーマ」を見つけることが難しいんだ。

 

そこが意図的に、しかも巧みに隠されているから、気付かないまま観てしまうと映画の意味がサッパリわからないんだよね。

 

アメリカ人でも気付かないんだから、日本人が気付くのは不可能に近い。

 

 

オッサンは宇宙人やさかいな。

 

 

次回はそこらへんをたっぷりと解説するとしよう。

 

それを読めば『サバービコン』という作品を何倍も楽しめると思うよ。

 

たぶんこの脚本が「お蔵入り」してたのは、やりたかったことを『バートン・フィンク』で「やっちゃった」からだと思うんだ。

 

 

へ?どゆこと?

 

 

『サバービコン』と『バートン・フィンク』の主題って、同じなんだよ。

 

当初コーエン兄弟はデビュー作の『ブラッド・シンプル』に「この主題」を入れたかったんだと思う。

 

だけど物語をシンプルにするために削ったんだよ、きっと。

 

そしてコーエン兄弟は『サバービコン』を書いた。『ブラッド・シンプル』で出来なかったことを描くためにね…

 

だけど同じテーマで「もっと面白い脚本」が書けたんだ。それが『バートン・フィンク』なんだね。

 

 

ホントかよ!

 

 

ふふふ…

 

次回以降の解説を楽しみにしててくれたまえ。

 

それでは。

 

 

いつも以上に自信満々だな!期待してるぞ!

 

 

 

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