なぜ『ライフ』は『遊星からの物体勝戮隼てるのか?〜『LIFE』解説5

 

 

 

さて、いよいよ地上との生中継シーンのクライマックス、火星で見つかった地球外生命体へのネーミングの瞬間だ。

 

 

前回までを未読の人はコチラをどうぞ!

 

 

 

中継映像も観といたほうがええな。

 

各乗員のインタビューのあとにタイムズスクエアでの命名式が始まるで。

 

 

 

全人類、というか全アメリカ人を代表して発表するのはドミニクちゃんだ。

 

 

 

「私たちのカルビン・クーリッジ記念小学校が11000校の中から選ばれたことを大変名誉に思います。そして私たちの校名にあやかって、この火星人をカルビンと名付けます!」

 

 

 

なんで全人類にとっての大発見をアメリカ人が私物化するんや?

 

 

そうだそうだ!

 

オイラの通う「官渡小学校」の名前でもいいじゃないか!

 

 

カントはアカン。映画がR指定になってまう…

 

つうかお前んとこの学校は三国志か。

 

 

エイリアンの形態も変わっちゃいそうだよね。

 

言葉にするのは難しいんで、絵にするとこんな風に…

 

 

やめんかボケ!通報されるわ!

 

 

冗談冗談、デヴィッド・ジョーダン。

 

まあふざけるのはこのくらいにして…

 

このドミニクちゃんのセリフは、この映画における最重要のセリフだと言っていい。

 

この映画のテーマすべてが凝縮されていて、しかも最上級のジョークにもなっているという、とんでもないセリフなんだよ。

 

僕はこのセリフだけで、どんぶり飯が三杯食べられるな…

 

 

このセリフでどんぶり飯が三杯も!?

 

ウナギを焼く煙か!

 

 

このシーンの旨味ポイントは以下の通りだね。

 

 

1、選ばれた少女の名前が「ドミニク」

 

2、彼女の学校の名前が「カルビン・クーリッジ記念小学校」

 

3、火星人(Martian)に「カルビン(Calvin)」と命名

 

 

「ドミニク」って名前が美味しいの?

 

 

うん。実に香ばしいよね。

 

まあこれまで様々なSF映画で使われてきた定番ネタなんだけど。

 

 

定番ネタ!?

 

 

「Dominique」とはラテン語の「Dominicus」が由来の名前で「神に統治される者」という意味なんだよ。

 

「Domini」が「神・主」だからね。「主の年」を意味する西暦の「A.D.」の「D」も「Domini」だ。

 

ちなみに「Dominions」で「主の支配を支える者」という意味になる。人気キャラクターの「ミニオンズ」はここから取られた名前だね。

 

だから彼らは常にボスを必要とするんだ…

 

 

 

 

うわあ!そうゆうことだったのか!

 

 

クリストファー・ノーランの代表作『INCEPTION(インセプション)』で、レオナルド・ディカプリオ演じる主人公の名前が「ドミニコ(通称ドム)」だったのも同じ理由だ。

 

 

ドムは自分が主体的に行動していると思っていたけど、実は全て妻モルの思う通りに行動させられていた。

 

アリアドネもサイトーも、実はモルの「なりすまし」だったんだ。映画の全編にわたって、モルが場を支配してるんだよね。

 

あの映画は、妻モルが夫ドムにインセプションする物語…、つまり、トラウマに囚われている哀れな夫を、妻が解放してあげる物語なんだ。

 

だけど天才クリストファー・ノーランによって、主人公ドムも観客も完璧に騙されてしまったというわけ…

 

『インセプション』徹底解剖

 

 

そういえば、そうだったな…

 

一年前のことなんで、すっかり忘れてた…

 

 

そしてSFホラーの古典的名作『The Thing(遊星からの物体勝法戮癲屮疋潺縫魁廛優燭駆使されている。

 

いや、駆使どころの騒ぎじゃないな。あの映画は「ドミニコ」から作られたと言っても過言ではない。

 

犬、体内への取り込み、奇形への変身、火、世界への拡散…

 

これら全てがドミニコ由来のネタなんだ。

 

 

 

どこがやねん?

 

 

実を言うと『遊星からの物体勝戮蓮▲トリックの聖人でドミニコ修道会の創設者「聖ドミニコ」の物語が元ネタになってるんだ。

 

St.Dominic (1170-1221)

 

 

ハァ!?

 

ど、どゆこと!?

 

 

聖ドミニクには、彼にまつわる「3つの夢」というものがある。

 

まず1つ目の夢。これはまだ母ヨハンナがドミニクを妊娠中だった時の話。

 

ある日ヨハンナは不思議な夢を見た。

 

なんと、胎内のドミニクが「犬」の姿に変わり、腹から飛び出してきたんだ…

 

 

それグロ過ぎでしょ!

 

てか『遊星からの物体勝戮修里泙鵑沺

 

 

しかも元ドミニクの「犬」は、口に燃えさかる松明を咥えていた。

 

そして驚く母に向かってこう吠えたんだ…

 

「俺はこの火を世界中に放ってやる!」

 

 

『遊星からの物体勝戮任浪个杷海笋気譴襪曚Δ世辰燭韻…

 

 

せやけど「火」を「物体X遺伝子」としたら一緒やで。

 

あれを世界中に拡散させよう思うたわけやさかい…

 

 

この「松明の火」というのは「キリストの教え」の喩えなんだよ。

 

「世界中に火を放つ」というのは「世界中にカトリックの教えを遍く広める」という意味なんだ。

 

別に放火魔とかテロリストになろうってわけじゃない。

 

ヨハンナは「この夢はお告げに違いない」と喜んだ。生まれてくる子は大きな使命を持った人間なんだ…ってね。

 

 

なるほど…

 

 

そして聖ドミニコにまつわる2つ目の夢は「ロザリオ」の夢。

 

ドミニコが生きていた時代、南仏を中心にカタリ派という異端信仰が流行していた。

 

ある種の宗教改革運動みたいなもので、腐敗しまくっていたカトリック教会に多くの人々が反発していたんだ。

 

彼らは旧約聖書を否定し、イエスの思想と清貧生活のみを理想とし、「物質世界は悪魔が作った世界、精神世界は神が作った世界」と考えた。

 

聖ドミニコはカタリ派を再びカトリックの教えに改宗させることに心血を注いだんだ。だけどそれは困難を極めた。

 

ある時、ドミニコは夢を見る。聖母マリアが現れて、ドミニコにロザリオを手渡したんだ。

 

このロザリオの力によって、異端者カタリ派の改宗がスムーズに行くようになったと言われている。カトリック世界でロザリオが重視されるのは、これに端を発するんだそうだ。

 

 

ふむふむ。

 

 

そして3つ目の夢が、題して「マリアのどっきり大作戦」。

 

 

なんだよそれ!

 

ちょっとエッチな漫画のタイトルみたいじゃんか(笑)

 

 

カタリ派への改宗活動によりドミニコの評判は高まり、彼の創設したドミニコ会には多くの会衆が集まった。

 

そんなある時、ドミニコは天国に行く夢を見る。

 

夢の中でドミニコは思った。天国にはさぞかしドミニコ会の元メンバーがいるんだろうな、と。

 

 

元メンバーとか、やめい。

 

 

だけど天国を見渡せど、ドミニコ会の会員らしき人々はどこにもいない。

 

そこには微笑む聖母マリアがいるだけ…

 

ドミニコは焦った。

 

「もしかして私の教えも異端だったのか?弟子たちは地獄に堕ちたのか?」ってね。

 

すると聖母マリアが羽織っていたマントをひらりと広げた。

 

ドミニコは驚いた。マリアのマントの中には、多くのドミニコ会の信徒が包まれていたんだよ…

 

この夢を見たことでドミニコの不安は吹き飛んだ。ドミニコ会の信徒は、天国で聖母マリアの懐で幼子イエスのように守られることがわかったからね。

 

 

人って外からはうかがい知れない、いろいろな心配事があるんだろうね。

 

世間から成功者と思われているような人は特に…

 

 

オモロイ話やったけど、これ『遊星からの物体勝戮抜愀犬△襪鵑?

 

読んどる奴、みんなそう思ってるで。

 

 

もちろん関係あるとも。

 

長々と話をしたけど、この「ドミニコの3つの夢」を一枚の絵にした有名な作品があるんで見てもらいたい。

 

『聖ドミニコの夢』Bernardo Cavallino

 

 

ホントだ!3つの夢が一枚の絵になってる!

 

 

マリアからロザリオを受け取る夢やろ…

 

マントがマントをチラリして出て来た幼子イエスやろ…

 

そんで、端っこで「ああ!」って叫んどるのがドミニコのオカンやな…

 

 

確かにオモロイ絵やけど…

 

『遊星からの物体X』とは何のつながりもないやんけ!ええ加減にせえ!

 

 

よく絵を見てよ。他にも何か描かれてるでしょ?

 

 

他にも?

 

 

え…?

 

 

何この黒っぽい影!!!まさか奇形化した犬!?

 

 

 

 

くっついとる首は、まさに物体召笋鵑院!!

 

 

 

だから『遊星からの物体勝戮砲蓮△笋燭蕕函峺ぁ廚函崋鵝廚出て来るんだね…

 

この絵が元ネタだったんだよ。

 

さらに2011年に公開された前日譚『遊星からの物体勝Д侫 璽好肇灰鵐織ト』は、それがもっと顕著になっている。

 

 

 

真ん中の写真とか、ポッチャリ具合や髪型まで似せてある…

 

完全にオマージュじゃんか…

 

 

それだけじゃない。映画のストーリーにも影響してるんだよ。

 

聖ドミニコは異端者をカトリックに改宗することに生涯を費やした。いわばカトリックの守護聖人だよね。

 

だからノルウェー観測隊は全滅し、アメリカ観測隊は12人中2人が取りあえずは生き延びれたんだよ…

 

 

ハァ?意味がわからん。

 

 

つまり、あの映画で殺されちゃうのは「非カトリック教徒」なんだ。

 

当時のノルウェーはルター派が国教だったのでカトリック人口は1%ほど。だから確率的に観測隊には存在しないと言っていい。

 

いっぽうアメリカの場合、カトリック人口は17%ほどだった。

 

ぴったり「12人中2人」だよね。

 

だからノルウェー隊は全滅して、アメリカ隊は2人生き残ったんだ…

 

 

ま、マジですか!?

 

 

これを「カルヴァン主義」に置き換えたのが『LIFE』なんだよね。

 

映画に『遊星からの物体勝戮修辰りのシーンがいくつも出て来るのは、そういう理由からなんだ。

 

だから「ドミニクちゃん」だったんだよ。

 

そしてラストシーンでも『遊星からの物体X』への敬意を表してか「聖ドミニコ」ネタが使われる。

 

漁民が脱出ポッドの中を覗いて「誰も居ないのかな?」って考えるよね?

 

そしてカルビンの繭みたいなものに包まれてるデヴィッド・ジョーダン医師の顔が見えて「ひと安心」するんだ…

 

これ「聖ドミニコの夢」そのまんまだよね。

 

 

 

ああ、たしかに…

 

 

しかし『遊星からの物体勝戮砲弔い毒く語り過ぎちゃったな。

 

これがホントのカタリ派。なんちゃって。

 

 

・・・・・

 

 

ということで、このへんで次回へ続くとしよう。バイナラ。

 

 

 

JUGEMテーマ:映画

鎖国と呼称問題〜映画『LIFE』解説シリーズ4

 

 

 

 

 

さて、映画『LIFE』(邦題:ライフ)の登場人物紹介シリーズも残るは二人。

 

今回は、生物学者のヒュー・デリー(英国)と、エンジニアのショウ・ムラカミ(日本)を解説しようかな。

 

 

 

待ってました、真田広之!

 

ちなみに他の搭乗員たちはコチラ!

 

司令官エカテリーナ・キャット

 

航空エンジニアのローリー・アダムズ

 

デヴィッド・ジョーダン&ミランダ・ノース

 

 

登場人物紹介シーンも、観といたほうがええな。

 

 

 

 

エカテリーナ司令官は、エアバイクをしていたデヴィッド・ジョーダンとランニングマシーンで走ってたミランダを踏まえて、地上の子供たちにこんなことを言ったね。

 

 

「これを見てるあなたたちは、宇宙トライアスロンの目撃者ね」

 

 

 

待てや。

 

トライアスロンっちゅうのは「ラン・バイク・スイム」の3つやろ。

 

2つしかないやんけ。

 

 

その通り。

 

だから7歳のレイラちゃんはエカテリーナ司令官に突っ込んだんだ。

 

 

「トイレはどうしてるんですか?」

 

 

 

へ?

 

なんでトライアスロンとトイレが関係あるの?

 

 

エカテリーナ司令官は「宇宙遊泳」の最中に「溺れて水死」するよね?

 

しかも「トイレ」みたいな宇宙服の中で…

 

 

 

と、トイレ!?

 

確かに背中のパックが貯水槽みたいだけど…

 

 

もうこの自己紹介シーンの時点で、彼女の運命は決まっていたんだ。

 

というか…

 

「エカテリーナ」という名前が付けられた時点で彼女の最期は定められていたんだよね。

 

モデルとなったエカテリーナ2世も、トイレの最中に心臓発作で倒れているから…

 

 

 

な、なんですとォ!?

 

 

自分から「トライアスロン」という言葉を出して「水場に関する事故」を想起させたエカテリーナ司令官に対し、レイラちゃんは鋭く突っ込んだ。

 

前回のアラン君同様、この小さなインタビュアーたちは油断ならないね。

 

そしてまたしてもエカテリーナ司令官は笑顔のままフリーズしてしまった…

 

そこで代わりに答えるのが、日本人のショウ・ムラカミ。

 

 

ショウ・ムラカミは、実際の「宇宙トイレ」をカメラに向かって説明する。まさに「ショウ・タイム」だ。

 

 

「漏斗(じょうご)、管(くだ)、吸引器…。ここISS(国際宇宙ステーション)でのやり方は、地球上にいる君たちのやり方とほとんど同じ」

 

 

ウケるよね。もうわかったでしょ?

 

モデルになった人物と、真田広之演じるショウ・ムラカミの役割が…

 

 

ぜんぜんわかりませ〜ん!

 

 

「SHO(ショウ)」とは「SHOGUN(ショウグン)」の「SHO」なんだよ。

 

そして彼が紹介してみせた「宇宙トイレ」とは、彼の「死に様」の暗示であると同時に「長崎の出島」の比喩でもあるんだ。

 

「出島」というシステムは、西洋文明の「吸引器」みたいなもんだからね。

 

「扇形の制限区域」が西洋文明を集める「漏斗」で、本土とつながる唯一の通路である「橋」が「管」にあたる…

 

 

 

しょ、将軍!?出島ァ!?

 

 

長崎の出島を作ったのは第三代将軍「徳川家光」だ。

 

扇形のデザインも家光の指示だったと言われている。

 

第三代将軍 徳川家光(1604‐1651)

 

長崎に出島を作り…

 

日本での布教活動を目論むイエズス会を追放し…

 

カトリックを国体への脅威とみなし、スペイン・ポルトガルと断交し…

 

異民族への布教にこだわらなかったカルヴァン派のプロテスタント国オランダとの貿易体制を確立し…

 

キリスト教を禁教としてキリシタンを厳しく処罰した徳川家光が、真田広之演じるショウ・ムラカミの役割なんだよ。

 

 

そういえば…

 

ショウと将軍徳川家光って「ヒゲの形」がそっくり…

 

真田広之がロン毛だったのも、チョンマゲを意識したものだったんだ…

 

 

 

ホンマやな。

 

せやけど家光の治世って、メイフラワー号によるピルグリム・ファーザーズのアメリカ入植の時期と重なるんとちゃう?

 

 

その通り。

 

家光の鎖国体制の確立と、カルヴァン主義のピューリタンによるプリマス植民地の設立は、まったく同じ時期なんだ。

 

だからISSの乗員6名の中に日本人が入ったんだね。

 

将軍家光はカルヴァン主義のオランダ人と手を結んだ。だけどキリスト教自体は厳しく弾圧し、国内へ入って来ることを徹底的に拒んだ。

 

この背景がショウ・ムラカミというキャラクターの行動原理となっている。

 

 

確かにそうだ…

 

出入口を閉鎖してエイリアンが入って来ないように頑張ってたもんな…

 

 

せやけど、防ぎきれんかったんや…

 

ひとつだけ残った出入口から侵入を許してもうた…

 

 

彼がカプセルに籠るのも象徴的なシーンだよね。

 

あれも「鎖国」のメタファーだ。

 

オランダとの交易は認める傍ら、キリスト教だけは絶対に国内へ入れないようにした徳川家光の姿だったんだよ…

 

 

 

うひゃあ!

 

あの時カルビンがカプセルの中へ侵入できなかったのも歴史通りじゃんか!

 

 

そして「ショウ・ムラカミ=徳川家光」説を決定づけるのが、彼に子供が誕生するシーンだ。

 

奥さんである「カズミ」が「メイ」を出産するところが中継されたよね。

 

「カズミ」とは「徳川和子」のことで、「メイ」とは和子が生んだ「明正天皇」のことなんだよ。

 

 

 

ちょい待て。

 

徳川和子っちゅうたら第二代将軍家忠の娘で、幕府の体制固めのために天皇家に嫁いだ姫やんけ。

 

確か夫は絶倫で有名な後水尾天皇やろ…

 

ショウ・ムラカミが家光やとすると、辻褄が合わん。

 

 

その通り。

 

和子は家忠の娘、そして家光の妹にあたる。

 

つまり和子の娘「明正天皇」は家光の「姪」なんだ。

 

だから映画でもこんな風に冷やかされたんだね…

 

 

「父親は別の男なんじゃね?」

 

 

 

 

 

確か、あの時ショウは、みんなに「Meet MEI(メイに会って)!」って紹介してたよな…

 

そしたら毒舌家のローリー・アダムズが「父親は違う男?」と聞いた…

 

「MEI」は「姪」でもあるから「Meet MEI!」は「姪に会って!」ともとれる…

 

和子が産んだ明正天皇は家光にとって姪だから、ある意味間違っていない…

 

なんじゃこりゃァ!

 

 

この脚本を書いたレット・リースとポール・ワーニックは、相当手の込んだことをしてるよね。

 

前にも解説した通り「メイちゃん」とは「メイフラワー号」のことでもあった。

 

でもそれだけじゃなかったんだね。こんな仕掛けも隠されていたんだ…

 

あまりにも手が込み過ぎていて、世界中で今まで誰も気付かなかった。映画の公開から一年以上も経つというのに…

 

僕は、こんな映画を放っておくことが出来ないんだよ。使命感を感じちゃうんだよね。

 

誰かがやらねば…誰かが書かねば…って。

 

 

お前はウルトラマンレオか。

 

 

ねえねえ…

 

「ショウ」はわかったんだけど「ムラカミ」のほうは?

 

まさか村上春樹とか?

 

 

たぶん村上直次郎じゃないかな。

 

日本のキリシタン研究の権威で、オランダの歴代カピタンの日誌を翻訳して江戸時代の日蘭関係の実態を明らかにした人物だよ。詳しくはこちらのサイトを見てごらん。

 

村上直次郎(1868‐1966)

 

さて、インタビューシーンに戻ろう。

 

ショウ・ムラカミが宇宙トイレの解説をして「みんなが地上でやってることと同じ」と言うと、生物学者のヒューイ・デリーが「違うことだってある!」と割り込んでくる。

 

 

ヒューイ・デリーは子供たちに「Dou you like peas?(豆は好き?)」と言い、一粒の「豆」を空中に浮かせて見せ、口を広げて飲み込みにいく。

 

まるで水面の小さな餌を大きな口で丸吞みするクジラみたいに…

 

 

ショウが「小水」の説明をするというオヤジギャグに対して、「ピー(pee:小便)」と「ピー(pea:豆)」のオヤジギャグで返したわけやな。

 

 

まさか!それは深読みでしょ(笑)

 

 

「ショウ」と「小水」はともかく、「pea」と「pee」はかけてあるよね。

 

ショウが「ここでのトイレのやり方は、みんなが地上でやるのと同じ」と言ったので、ヒューイ・デリーはカチンと来たんだ。

 

下半身麻痺の体である彼のトイレのやり方は「みんなとは違う」だろうからね。

 

だから「違うこともある!」と割って入って来たんだよ。

 

 

せやけど誰がモデルや?

 

イギリス人で「デリー」やさかい、インド系とか?

 

 

ヒントは「豆」だ。

 

 

まめ!?

 

 

豆は「pea」の他に何て言う?

 

 

それは簡単!ビーン(bean)でしょ?

 

 

そう。

 

だから「英国人ヒューイ・デリー」のモデルは「英国王ジェームズ1世」なんだよね。

 

James(1566-1625)

 

 

その「だから」は日本語的にオカシイよ!

 

全然「bean」と繋がってないじゃんか!

 

 

でもヒューイ・デリーと似たようなモン持っとるで。

 

 

あはは。面白いところに気が付いたね。

 

ヒューイ・デリーの「電気ショック棒」は、ジェームズ1世の王笏(おうしゃく)がモデルだったんだ。

 

 

そうゆう問題じゃないでしょ!

 

ますます「bean」と離れていってるよ!

 

 

ごめんごめん。

 

実はジェームズ1世の治世を「ジャコビアン時代」というんだよね。

 

英語で書くと「Jacobean Era」。「James」というのはヘブライ語の「Jacob」の変形だから、こう呼ばれるんだ。

 

そして「Jacobean」の中には…

 

 

「豆(bean)」がある…

 

 

そうゆうこと。

 

ちなみにジェームズ1世は、幼少時代「足」が不自由だった。7歳になるまで歩けなかったそうだ。

 

 

ま、マジで!?

 

ヒューイ・デリーの足が不自由だったのも、ジェームズ1世のせいなのか!

 

 

ジェームズ1世の少年時代は、人より運動能力は劣っていたけど、ちょっと不思議なタイプの子だったらしい。

 

ある時、枢密院の玉座に座っていたジェームズ少年は突然「この議会には穴がある」と呟いた。

 

驚いた重臣たちがよく調べると、議事堂の天井に小さな穴があいているのが見つかった。

 

「なんと御聡明な王子、どんな異変も見逃さない」と皆が感心してると、議員のひとりが急死して、人員面でも議会に穴があいてしまう事態に…

 

この出来事でジェームズは「神童か?それとも予言者か?」と騒がれるようになったという。

 

 

ヒューイ・デリーの「穴」事件も、ここから来てるのか…

 

彼は穴を見逃しちゃったけど…

 

 

そして「デリー」とは、インドの「デリー」ではなく、北アイルランドの都市「DERRY」のことだ。

 

ジェームズ1世は1604年に「デリー」を自治都市と認める勅許状を出した。

 

そして1613年には、この町を永久に「ロンドンデリー」と呼ぶことを命じる勅許状を出したんだね。

 

 

二度も勅許状を?

 

しかも「デリー」を「ロンドンデリー」と呼ぶことの命令って、どうゆうこと?

 

 

デリーは英国によるアイルランド植民地化計画の前線基地だったんだ。

 

アイルランド島北部の町デリーを中心に、イングランド人による植民を進めていったんだね。

 

そして1604年に「デリーを自由都市とする」という1回目の勅許状が出された。

 

でもアイルランド人は怒り狂った。

 

「自由都市?ふざけんな!俺たちにとっては不自由だ!」

 

そして町は破壊されてしまう。

 

ジェームズ1世は英国の橋頭堡であるデリーの再建を目指すが、慢性の財政赤字でおカネが無い。

 

そこでロンドンのシティの商工業組合がお金を出し、町を再建することになった。しかも今度はアイルランド人を威圧するために、強固な城壁付きで…

 

ジェームズ1世はロンドンのシティに頭が上がらなくなり、2度目の勅許状でこう宣言する。

 

「これよりデリーは、いかなる時も、ロンドンデリーと呼ばれなければならない」

 

 

 

 

つまりロンドンのシティが「デリー」のスポンサーになったから「ロンドンデリー」と呼ばれるようになったっちゅうわけか…

 

ネーミングライツみたいなもんやな…

 

 

そういえば『ロンドンデリーの歌』って曲もあったね。あれはこの町のことを歌ってるの?

 

 

いや、全然関係ない。

 

最初に楽譜に記録したのがロンドンデリー在住の人で、タイトルが不明だったから、便宜上この名が付けられただけなんだ。

 

だから『ダニーボーイ』をはじめ、いろんな歌詞が乗せられる。

 

最近ではこんなバージョンが話題になったよね…

 

やなぎなぎ『クロスロード』作詞:新海誠

 

 

思い出した!

 

そういえば「デリー/ロンドンデリー」呼称問題っちゅうものあったな!

 

 

そうなんだよ。

 

北アイルランド問題において、この町は象徴的な存在となっている。

 

イギリス連合王国にとどまることを主張するプロテスタント・ユニオニスト・忠誠派は「ロンドンデリー」という名前にこだわり、アイルランド統一を目指すカトリック・共和派は町の名に「ロンドン」が冠されることを屈辱とし「デリー」の呼び名にこだわった。

 

かつてのIRAの過激なテロは無くなったけど、今でも両者の軋轢は根深く残っているんだ。

 

そんなデリーの少女たちを描いた『DERRY GIRLS』という映画も作られた。

 

英国から引っ越して来たアイルランド語(ゲール語)を喋れない少年の名が「ジェームズ君」なんだけど、これって間違いなくジェームズ1世が投影されているよね。

 

 

 

デリー・ガールズ、何しゃべってるのか全然わからねえ…

 

 

なかなか面白そうな映画だよね。

 

では『LIFE』の話に戻ろう。

 

豆を飲み込んだヒューイ・デリーは、子供たちにこう尋ねた。

 

 

「さて、もう名前は決まったのかな?」

 

 

そもそもこのインタビューは、初めて発見された地球外生命体に付けられる名前の発表イベントの前座みたいなものだったんだ。

 

 

このセリフをヒューイ・デリーが言うって、「デリー/ロンドンデリー」の名前問題が解決してないことへの皮肉でもあるね!

 

 

まさに。

 

この映画って政治風刺も結構キツいんだ。

 

さて、ヒューイ・デリーの問いかけで、映像はニューヨークのタイムズスクエアに切り替わる。

 

 

というわけで今回はここまで。

 

次回は「カルビン」と登場人物の関係性について見ていこう。

 

 

JUGEMテーマ:映画

全米映画興行収入ランキング(7/13〜15編)

 

 

 

 

 

お待っとさんでした。

 

毎週月曜恒例のBOX OFFICE全米映画興行収入ランキング、7月13〜15日のトップ10はこちら!

 

 

1)HOTEL TRANSYLVANIA 3: SUMMER VACATION

 

$44.1M ($45.5M) 1週目

 


2)ANT-MAN and WASP

 

$28.8M ($132.8M) 2週目

 

 

3)SKYSCRAPER

 

$25.5M ($25.5M) 1週目

 

 

4)INCREDIBLES 2

 

$16.2M ($535.8M) 5週目

 

 

5)JURASSIC WORLD

 

$15.5M ($363.3M) 4週目

 

 

6)THE FIRST PURGE

 

$9.1M ($49.5M) 2週目

 

 

 

7)SORRY TO BOTHER YOU

 

$4.3M ($5.3M) 2週目

 

 

8)SICARIO: Day of the Soldado

 

$3.9M ($43.2M) 3週目

 

 

9)UNCLE DREW

 

$3.2M ($36.7M) 3週目

 

 

10)OCEAN'S EIGHT

 

$2.9M ($132.3M) 6週目

 

 

 

1位は『ホテル・トランシルヴァニア3』が初登場だい!

 

日本ではハロウィンシーズンの10月末に『モンスター・ホテル クルーズ船の恋は危険がいっぱい?!』ってタイトルで公開されるぞ!

 

 

 

 

前作は世界で500億円超のビッグヒットやったけど、日本ではたったの1800万円しか稼げんかった。

 

『ヒックとドラゴン』に並ぶ「世界では有名、でも日本では無名」の代表作みたいなシリーズや。

 

正直、もう劇場公開されずにビデオスルーかと思っとったわ…

 

 

なんで日本では人気ないんだろう?

 

 

何でだろうね?

 

監督のゲンディ・タルタコフスキーとか、もっと日本で人気が出てもよさそうな人なんだけど…

 

Genndy Tartakovsky 

 

 

タルコフスキー?あの巨匠の親戚か?

 

 

タル「タ」コフスキーだよ。まあ同じソ連生まれの映像作家だけどね。

 

ゲンディ・タルタコフスキーは1970年にモスクワでユダヤ人の両親のもとに生まれた。だけど幼少時代に家族と共に西側世界へ亡命する。

 

ひとまずイタリアに落ち着いたんだけど、当時のイタリアでは反ユダヤ主義を掲げるネオナチみたいな連中が現れ始めていて、ユダヤ人であったタルタコフスキー家族は恐怖を感じアメリカへ渡った。

 

今回の映画の舞台が「客船」なのは、7歳だったタルタコフスキー少年が大型客船で大西洋を渡った時の体験がもとになっているからなんだそうだ。

 

こうして”自由の国”アメリカで小学校に通うことになったゲンディ少年だけど、「敵国ソ連から来たユダヤ人」という偏見の目で見られ、苦労が絶えなかったらしい。

 

高校に入るくらいまでは、自分がアメリカ社会にとって「異物」だと感じていたそうだ。

 

だけど16歳の時にお父さんを亡くしたことで、彼の中で何かスイッチが入った…

 

 

まさに「エイリアン」やさかいな。

 

「Englishman in NY」なんて可愛いもんや…

 

 

孤独だった少年時代、彼にとって何もかも忘れて没頭できる唯一のことがコミックやアニメーションだった。

 

大学卒業後にアニメーターとなったタルタコフスキーは、すぐに頭角を現した。

 

20代後半という若さで、カトゥーン・ネットワーク最初のオリジナル作品の原作&監督に大抜擢される。

 

そして誕生したのが、大ヒット作『DEXTER'S LABORATORY』(邦題:デクスターズ ラボ)だ…

 

 

 

ああ!これ見たことある!

 

 

そしてタルタコフスキーは、謎の侍ジャックを主人公にした超クールなアニメ『SAMURAI JACK』(邦題:サムライジャック)を制作し、カルト的な人気を得る…

 

 

 

おお!これも知っとるで!

 

日本語版は菅原文太のナレーションやったな、確か!

 

 

ちなみに2004年のシーズン4で中断したままだったんだけど、熱狂的なファンの要望に応え、去年、13年ぶりに再開されたんだよ。

 

 

 

 

わお!スタイリッシュさに磨きがかかっている!

 

 

さて、2004年で『サムライジャック』が中断した理由は他でもない、タルタコフスキーが超ビッグプロジェクトを任されたからなんだ。

 

あのジョージ・ルーカスから直々の指名を受けちゃったんだよね。

 

世界的人気シリーズのスピンオフ作品『STAR WARS:CLONE WARS』(邦題:スターウォーズ クローン大戦)の監督に指名されたんだ。

 

 

 

 

これもゲンディ・タルタコフスキーだったの!?

 

大出世じゃんか!

 

 

だけどディズニーによるルーカスフィルムの買収で、タルタコフスキー版クローンウォーズは微妙な立場に置かれることになってしまう。

 

そしてこれとは別にCGアニメの劇場版『クローンウォーズ』が作られることになるのはご存知の通り…

 

その後タルタコフスキーは様々なプロジェクトに参加していたんだけど、ある日SONYピクチャーズから劇場用オリジナル映画の監督を打診される。

 

なんとその企画は、これまで5人の監督が次々と降板していったという「いわくつき」の企画だったんだ…

 

だけどタルタコフスキーは、プロットを大幅に書き換え、見事に完成させる。

 

それが『モンスター・ホテル』こと、『HOTEL TRANSYLVANIA』だ。

 

 

 

そんな問題児やったんか、この映画。

 

せやけど、主人公のドラキュラ伯爵をコメディ俳優のアダム・サンドラーが演じ…

 

その娘メイヴィスに当時トップアイドルやったセレーナ・ゴメス…

 

そんでメイヴィスと恋に落ちる人間の若者ジョニーが、アンディ・サムバーグ…

 

かなり豪華なメンツやで。

 

 

アンディ・サムバーグって誰?

 

 

「サタデー・ナイト・ライブ」出身のコメディアンであり、グラミー賞にノミネートされた歌手でもある。

 

3年前のエミー賞で司会をしたんだけど、その時のオープニング映像は面白かったよね。

 

 

 

 

ウケる(笑)

 

 

さて、この『モンスター・ホテル』なんだけど、ただの子供向けアニメだと思ってはいけない。

 

こだわりのクリエイターであるゲンディ・タルタコフスキーが沈没寸前の企画を引き受け、わざわざ物語を大幅に書き換えてまで完成させたということには大きな意味があるんだ。

 

彼はこの作品で「あること」を描こうとしたんだね。

 

 

あること?

 

 

実はこの『モンスター・ホテル』という映画は…

 

「モンスターと人間」の関係性が「ユダヤ人とキリスト教徒」という関係に対応しているんだよ…

 

19世紀末から20世紀初頭に東欧で起こったユダヤ人の大規模迫害「ポグロム」と、それがきっかけとなり盛り上がることになったイスラエル建国運動「シオニズム」を描いているんだね。

 

 

ええ〜!?

 

じゃあ『マダガスカル』シリーズと一緒ってこと!?

 


 

そういうこと。

 

映画『モンスター・ホテル』は、19世紀末に最愛の妻を暴徒と化した人間たちに虐殺されショックを受けたドラキュラ伯爵が、人間世界と隔絶した山の中にモンスターが安心して過ごすことのできるホテルをつくることから始まる。

 

これは東欧のポグロムとシオニズム運動がそのまま当てはめられているよね。

 

舞台のトランシルヴァニアとは、まさにポグロムが巻き起こった地域だ。中世の時代から、黒海西岸地域からバルト海沿岸にかけてには多くのユダヤ人が暮らしていた。現在のモルドバ、ルーマニア、ウクライナ、ポーランド、ベラルーシ、リトアニアあたりの地域だね。

 

 

ちなみに有名なミュージカル『屋根の上のバイオリン弾き』も、まさにポグロム前夜のウクライナ西部地域が舞台になっていた。

 

映画版では、当時の東欧のユダヤ人社会が事細かに描かれていて実に興味深い。

 

ボブ・ディランやスティーヴン・スピルバーグ、そしてコーエン兄弟の祖父母は、こんな暮らしをしていたわけだ。

 

 

人間の若者ジョニーが吸血鬼メイヴィスと恋に落ちて、人間だってことがバレたらお父さんであるドラキュラ伯爵に反対されるからジョニーはモンスターのふりをするんだけど、結局はバレてしまい、最後はドラキュラ伯爵も渋々交際を認める…ってゆうストーリーもそうゆうこと?

 

 

そういうことだね。

 

娘がキリスト教徒の男と恋に落ちてしまった時の父の苦悩以外の何物でもない。アメリカに移民したユダヤ家庭「あるある」なんだろうな。

 

ちなみに続編である『モンスター・ホテル2』では、さっそくジョニーとメイヴィスの間に赤ん坊が生まれるんだ。

 

 

トランシルヴァニアを離れて夫ジョニーの故郷カリフォルニアで子育てをしたいというメイヴィスに対し、ドラキュラ伯爵は「モンスターが人間社会の中で暮らすことがどれだけ危険なことなのか」を訴える。最愛の妻を人間に殺されているからね。

 

そしてドラキュラは、孫を連れてキッズサマーキャンプへ行く。かつて自分も幼い頃、他のモンスターキッズたちと共同生活をしながらモンスター文化を学び、特殊能力を目覚めさせたんだ。

 

だけど孫の能力はいっこうに目覚めない…

 

 

モンスターのキッズサマーキャンプ?

 

もしや…

 

 

そう。アメリカに住むユダヤ人の子供の多くが夏の間に送り込まれる「Jewish Summer Camp」のことだね。

 

山や森の中で共同生活を送りながら、ヘブライ語を学んだり、ユダヤ人としての自覚や連帯意識を身につけていくんだ。

 

 

 

『モンスター・ホテル2』も完全に「モンスター=ユダヤ人」で「人間=キリスト教徒」じゃんか…

 

 

「2」は特にそれが顕著だといえる。

 

だって脚本を書いたのがアダム・サンドラーとロバート・スミゲルの二人だからね。この二人が脚本&製作総指揮なんだ。

 

 

 

ロバート・スミゲルが脚本!

 

しかも「2」はアダム・サンドラーも脚本を書いとったんか…

 

そうゆうことやったんやな…

 

 

なんでアダム・サンドラーが脚本だと「そうゆうこと」なの?

 

そしてロバート・スミゲルって誰?

 

 

アダム・サンドラーって熱心なユダヤ教徒で「ユダヤジョーク」をもとにした過激ネタで人気を得たコメディアンなんだよ。

 

彼の主演映画はたくさんあって、大ヒットしたものも多いんだけど、日本ではほとんど劇場公開されなかった。

 

映画で使われるギャグのほとんどが、アメリカ在住ユダヤ人に関する人種・宗教ネタなんだよね。

 

 

そうだったの!?

 

 

「サタデー・ナイト・ライブ」でも過激やったな。爆笑替え歌をガンガン歌っとった。

 

 

そしてアダム・サンドラーといえば『The Chanukah Song(ハヌカ・ソング)』だね。

 

「ハヌカ(Chanukah,Hanukkah)」とは12月に行われるユダヤ教徒のお祭り。エルサレム神殿を異教徒から奪還して宮清めをしたことを記念したお祭りだね。八本足のロウソク立てに灯りをともし、子供たちはコマを回して遊び、プレゼントをもらうんだ。

 

アダム・サンドラーの『ハヌカ・ソング』は、世間がクリスマス一色になる12月のアメリカで肩身の狭い思いをしているユダヤ系の子供たちに向けた応援ソングであり、アメリカをキリスト教徒だけのための国だと思っている人たちに向けた啓蒙ソングでもある。

 

 

 

すごい歌なんですけど…

 

 

これが大ヒットしたんだよね。

 

ヒットチャートにもランクインして、CDはゴールドディスクに認定された。そして続編がどんどん作られたんだよ。

 

ちなみに「パート2」がこれで…

 

 

最新作である「パート4」がこれ。

 

 

 

ひゃ〜

 

文化の違いというか…、日本では絶対に出来ないよね…

 

 

でもユダヤジョークの過激さでは盟友ロバート・スミゲルのほうが上だ。

 

彼は「サタデー・ナイト・ライブ」で長らくライターを務め、伝説的なコーナーをいくつも作った男…

 

特に「TV FUNHOUSE」シリーズは、表現の限界に挑むロバート・スミゲルの真骨頂ともいえる作品だ…

 

 

スヌーピーが「金の牛」像にされ、モーセに扮したチャーリー・ブラウンが天罰を下すとか笑えるな。

 

 

ストーリーが全部「ヘブライ聖書」のパロディになっているんだよね。そして最後にポール・サイモンが引用され「彼が歌でやってることを真似してみました」とネタバレされる。

 

数々の名作&問題作を生みだしたこのコーナーだけど、最もヤバいやつがこれだね…

 

途中で入るCMとかマジでヤバ過ぎる…

 

 

 

・・・・・

 

 

アダム・サンドラーとロバート・スミゲル…

 

この二人が製作総指揮をして脚本を書いたのが『モンスター・ホテル2』なんだ。

 

もうこれ以上説明しなくてもわかるよね。ただの子供向けアニメじゃないってことが…

 

 

「3」公開の前に、もう一回「1」と「2」を見返してみようっと…

 

 

しかし『モンスター・ホテル』を語っていたら、すっかり長くなっちゃったな。

 

2位以下も紹介しなきゃ。

 

ということで、2位は『アントマン&ワスプ』です。

 

 

 

3位は『スカイスクレイパー』が初登場や。

 

 

 

ドウェイン・ジョンソン版「ダイ・ハード」だね。

 

そして4位は『インクレディブル・ファミリー』だぞ!

 

全米興行収入ランキング(6/15-17)

 

 

米国内では興行収入が5憶3600万ドルを突破したね。

 

公開3週目の時点でアニメ映画歴代最高額を記録したけど、全映画のランキングでもトップテン入りを果たした。

 

公開5週目で、あのクリストファー・ノーランの『ダークナイト』を抜いて歴代9位となっている。

 

次なるターゲットは8位の『スターウォーズ/最後のジェダイ』だよ。どこまで記録を伸ばせるか楽しみだ。

 

 

たいした奴や、ブラッド・バードは…

 

 

5位が『ジュラシック・ワールド/炎の王国』で、6位が『The First Purge』。

 

そして7位にランクインしたのは注目作『SORRY TO BOTHER YOU』だ。

 

白人のアクセントを身に着けた男カシアス・グリーンの物語だね。

 

 

 

この映画も何というか…

 

強烈だな…

 

 

ラップ集団The Coupの中心メンバーだったBoots Riley(ブーツ・ライリー)の初監督作品だ。

 

ブーツ・ライリーはThe Coupとして2012年に発表したアルバム『SORRY TO BOTHER YOU』の世界観が気に入っていて、何とか映画にできないかとずっと画策していた。

 

そしてようかく完成にこぎ着けたというわけ。

 

映画の主人公カシアス・グリーンというのは、歌の中に登場する架空の人物なんだよね。

 

 

 

なんかええな。

 

 

結構好きかも!他の曲も気になる!

 

 

こちらでどうぞ。

 

かなりイイよね、ブーツ・ライリーとThe Coup。いろんなジャンルの音楽が好きな人にはたまらないテイストだ。

 

 

 

来週はブーツ・ライリー&The Coup特集になるに100万coup賭けてもええ。

 

 

ふふふ。どうなるかな…

 

さて、もう疲れちゃったんで8位以下は割愛するとしよう。

 

ではまた来週!

 

 

 

 

 

『HOTEL TRANSYLVANIA 3: Summer Vacation』

 

監督:ゲンディ・タルタコフスキー

 

脚本:ゲンディ・タルタコフスキー、マイケル・マッカラーズ(『ボス・ベイビー』『シュレック5』)

 

音楽:マーク・マザーズボー(DEVO)

 

出演:アダム・サンドラー、セレーナ・ゴメス、アンディ・サムバーグ、ケヴィン・ジェームズ、スティーヴ・ブシェミ、メル・ブルックス、キャスリン・ハーンほか

 

 

 

JUGEMテーマ:映画

TESTAMENTとTEMPEST(そしてちょっとCHESSの話)〜映画『LIFE』解説3

 

 

 

 

 

 

 

さて、映画『LIFE(ライフ)』の登場人物解説3人目は、ジェイク・ギレンホール演じる「デビッド・ジョーダン医師」だ。

 

 

 

 

1人目の「キャット司令官」は「ロシア皇帝エカテリーナ2世」と「アメリカン・ショートヘアー」だったね。

 

詳しくはコチラで。

 

 

そして2人目「ローリー・アダムズ飛行士」は「俺ちゃんデッドプール」と「アメリカ第2代大統領ジョン・アダムズ」だった…

 

詳しくはコチラで。

 

 

 

デヴィッドは、インタビュー・シーンではエアバイク漕いどったな。

 

 

 

こんなやり取りが交わされていたね。

 

 

 

キャット「こちらにいるジョーダン医師は、宇宙での連続滞在記録を塗り替えようとしています。現在は連続473日」

 

 

すると、キャット司令官を鋭い質問で困らせた少年アラン君が、またもやナイスなツッコミを入れる。

 

 

アラン君「きっとママは淋しがってるよ」

 

 

ジョーダン「そうだね。でも僕にとって、ここにいる皆が家族なんだ」

 

 

 

これがヒント?

 

何の変哲もない普通の会話じゃんか。

 

オイラたちを担ごうったって、そうはいかないぞ!

 

 

せや。アランのツッコミの、どこが鋭いんや?

 

アホも休み休みに言え。

 

 

主よ、お許しください…

 

この者たちは自分が何を言っているのかわからないのです…

 

 

なぬ!?

 

 

では単刀直入に言おう。

 

アラン君は見抜いていたんだ…

 

医師デビッド・ジョーダンのモデルが、イエス・キリストだということを…

 

 

じ、ジーザス!?

 

 

だって名前がそもそも「David Jordan(デビッド・ジョーダン)」だよ。

 

「Jordan」とはヨルダン川沿岸地域のことだし、「David」とは「ダビデ王」のことだ。

 

イエスは「ダビデの町」ベツレヘムで生まれ、福音書の中では何度も「ダビデの子」と表現される。

 

新約聖書の巻頭、第1章第1節のフレーズは「アブラハムの子であるダビデの子、イエス・キリストの系図」というものだったよね?

 

アブラハムからダビデまでが14代、ダビデから28代あとの子がイエスなんだ。

 

 

ああ、そうだった…

 

じゃあ地上で「寂しがってるママ」って、もしかして…

 

 

マリアのことだね。

 

そしてデビッド・ジョーダンは「ここ(宇宙ステーション)にいるクルーが僕にとっての家族だ」と答えた。

 

これは『マタイによる福音書』第12章の引用だな。

 

イエスは血の繋がった母や兄弟よりも、共に行動する弟子たちを「家族」と呼んだ。天の父の御心と共にある者を「真の家族」と考えたんだね…

 

12:46 イエスがまだ群衆に話しておられるとき、その母と兄弟たちとが、イエスに話そうと思って外に立っていた

12:47 それで、ある人がイエスに言った、「ごらんなさい。あなたの母上と兄弟がたが、あなたに話そうと思って、外に立っておられます」

12:48 イエスは知らせてくれた者に答えて言われた、「わたしの母とは、だれのことか。わたしの兄弟とは、だれのことか」

12:49 そして、弟子たちの方に手をさし伸べて言われた、「ごらんなさい。ここにわたしの母、わたしの兄弟がいる。

12:50 天にいますわたしの父のみこころを行う者はだれでも、わたしの兄弟、また姉妹、また母なのである」

 

 

そっか…

 

国際宇宙ステーションって「天」に浮かんでいるもんな…

 

だからクルーが「家族」なんだ…

 

 

そしてイエスもデビッド・ジョーダンも…

 

長い間、地上世界を離れとる…

 

 

うまいよね。僕はこの会話で大爆笑してしまった。

 

さて、デビッド・ジョーダンが「母は淋しがってるけど、僕にはここに家族がいる」と言ったことに、ミランダ・ノース検疫官が口をはさむ。

 

 

「確かに。子を失った母の辛さを何とも思わないような人たちがね…」

 

 

 

わーい!オイラの大好きな綺麗なお姉さんレベッカ・ファーガソンだ!

 

 

せやけど、かなりきっついツッコミやで…

 

ミランダは何でこんなこと言うたんや?

 

たまたまイライラしとっただけか?

 

 

彼女のモデルとなった人物は2人いるんだけど、どちらも「母子の別れ」を経験していたからだよ。

 

 

誰と誰!?

 

 

まず一人目は「ミランダ」だ。

 

またもや名前そのまんまだね。

 

 

 

へ?まさかミランダ・カーじゃないよね?

 

どちらのミランダさん!?

 

 

ミランダとは、ウィリアム・シェイクスピアの最後の作品『テンペスト』に登場するヒロインの名前だよ。

 

ミランダの父プロスペローは魔術に没頭するあまり、実の兄弟によってミラノ大公の座を追われた。

 

そしてプロスペローは生まれたばかりの娘ミランダだけを連れて絶海の孤島に亡命する。その島でミランダは文明社会と隔離されたまま育ったんだ。

 

 

ミランダ・ノース検疫官が「隔離」の専門家なのは、ここから来てるのか!

 

 

ちなみに彼女が最後に宇宙空間に飛ばされちゃうのも『テンペスト』ネタなんだ。

 

ミランダ・ノース検疫官はラスト前の場面で「父に会いたい」と言ったよね。あれが「死亡フラグ」だったんだよ。

 

 

嘘コケ!

 

今『テンペスト』のウィキ読んだけど、ラストは父プロスペローと一緒にイタリアに戻るハッピーエンドやんけ!

 

 

違うんだな。

 

ミランダ・ノースの「願い」が叶って、父プロスペローに会いに行ったんだよ…

 

天王星のほうまで…

 

 

て、天王星!?

 

 

実は天王星には「プロスペロー」という名の衛星があるんだ。

 

だから「父に会いたい」と言ったミランダ・ノースは宇宙空間へ飛ばされちゃったんだね。

 

父のいる天王星めざして…

 

 

マジかよ…

 

あのアクシデントは必然だったのか…

 

 

映画『LIFE』で起こることは、すべて必然だ。

 

最初から「予定」されていたことなんだよ…

 

 

ま、マジで!?

 

 

実は地球外生命体カルビンって「予知能力」を持っているんだよね。

 

ちょっと先のことが読めるんだ…

 

 

そうだったの?

 

映画ではそんなこと言及されてなかったけど…

 

 

そこに気付けなかったから、あんな大惨事になったんだよね…

 

ヒントは至る所にあったのに…

 

このへんはカルビン紹介の回でゆっくり解説しよう。

 

 

さて、ミランダ・ノース検疫官はあのアクシデントの前に、万が一の事態に備えてメッセージを録音していたよね?

 

「地球外生命体カルビンは、これまで見たことも無い、想像を絶する生物だ…」って。

 

これも『テンペスト』ネタなんだよ。

 

ヒロインのミランダは、もの心ついた時から父プロスペローと二人っきりで、他の男性を見たことなかった。

 

王族への復帰を画策するプロスペローは、宿敵ナポリ王の息子ファーディナンド王子の乗る船を魔術で遭難させ、自分の島に上陸させる。

 

そして彼と娘のミランダをくっつけて、結婚させようと考えた。そうしたら自分は次期王妃の父として華々しい世界へカムバックできるからね。

 

プロスペローは若い二人に「ひとめぼれ」の魔法をかける。

 

これまで父親以外の男を見たことなかった上に魔法までかけられたミランダは、若く逞しい王子を見るや否や衝撃を受けた…

 

 

「この世のものとは思われないわ…。生きているもので、これほど立派なものなんて見たことない…」

 

 

 

アハハ!どっちのミランダも想像を絶する衝撃を受けたんだ!

 

 

おい、ちょっと待てや…

 

後者のミランダのセリフ、何か変やろ…

 

 

ふふふ。

 

「あとは若い二人で…」とばかりに洞窟の中の部屋で二人っきりにされたファーディナンド王子とミランダ。

 

しばらくしてプロスペローは様子を覗きに行く。結ばれたかどうか気になって仕方がなかったんだ。

 

そっと近付いて出入口の幕をめくってみると、ファーディナンドとミランダが「チェス」をしているのが見えた…

 

ミランダ「あら、今のはごまかしよ」

 

ファーディナンド「とんでもない、そんなことするもんですか」

 


 

なぜにチェス?

 

ひとめぼれ魔法をかけられた二人でしょ?

 

 

ちぇ、チェスは隠語や!

 

「CHESS」は「SECHS」のアナグラムになっとんのや!

 

「SECHS(ゼックス)」とはドイツ語の「6」のことやけど、英語の「SEX」と発音がめっちゃ似とる…

 

 

その通り。

 

シェークスピアはストレートな性表現を避けて、アナグラムで「ごまかし」たんだよ。

 

シェークスピアの分身でもあるプロスペローに覗かれた時のミランダとファーディナンドの会話は、メタ視点のギャグになってるんだ。

 

わざわざ「CHESSしてた」なんてドイツ語のアナグラムで誤魔化さずに、はっきり「SEXしてた」と書けばいいのに…という自分自身に対するツッコミだね。

 

これをカズオ・イシグロは短編集『夜想曲集』で引用したわけだ。

 

第4話「Nocturne」ではやたらとチェスが連発される。しかも「メグ・ライアンにもらったチェス」だったよね。

 

「MEG RYAN(メグ・ライアン)」は「GERMANY(ドイツ)」のアナグラムになっている。

 

つまり「メグ・ライアンのチェス」とは「SECHSと読んでください」という意味だったんだ。

 

だからホテルの部屋で熟年の男女が「チェス」ばかりしてたんだね(笑)

 

 

シェイクスピアもカズオ・イシグロも、英国人って何でそんなにムッツリスケベなの!?

 

 

英国人は関係あらへん…

 

物書きなんちゅう生きモンは、万国共通、みんな変態や。

 

 

笑えるね。

 

さらに言うと『テンペスト』には謎の怪物が登場する。

 

プロスペローとミランダ父娘が辿り着いた孤島に住んでいた魔物「Caliban」だ。

 

 

 

きゃ、キャリバン!?

 

 

宇宙刑事か。

 

 

違うでしょ!

 

名前が映画『LIFE』の怪物「Calvin(カルビン)」とよく似てるってこと!

 

 

おお、せやな…

 

 

しかも横たわったオッサンの「足」を美味しそうにペロペロ舐めてたじゃんか…

 

カルビンも同じことしてたよね…

 

 

せ、せ、せやった!

 

 

実を言うとね、『テンペスト』と『LIFE』は、そっくりなシーンだらけなんだ。

 

セリフもたくさん引用されてるんだよね…

 

 

なんで!?

 

 

『テンペスト』って、当時の新大陸ブームを背景に書かれたものなんだ。

 

この頃、多くの野心家が新大陸で一旗揚げようと海を渡った。未開の地を拓いて、植民地として立ち上げに成功すれば、まさに一国一城の主になれるからね。植民地経営者は領主様、ちょっとした貴族みたいなもんだったんだよ。

 

だけど失敗して帰ってくる者も多かった。

 

シェイクスピアはそんな「敗者たち」から話を聞き、『テンペスト』の構想を練ったと言われている。

 

海を渡り一発逆転を狙ったプロスペローのモデルは、新大陸へのチャレンジャーたちだったんだね。

 

そして、シェイクスピアがモデルにしたと言われる人物が、あのメイフラワー号に乗っていた。

 

アメリカ人の始祖と呼ばれる「ピルグリム・ファーザーズ」を新大陸に運んだメイフラワー号にね…

 

 

ハァ!?

 

 

シェイクスピアが『テンペスト』を書いたのが1610年頃。そしてピルグリム・ファーザーズがメイフラワー号で海を渡ったのが1620年のこと。

 

ほぼ同時代の出来事なんだ。

 

新天地アメリカに「神の国」を建てようと考えたピルグリム・ファーザーズたちは、信仰心は篤いけど「国造り」に関しては素人だった。

 

インディアンの土地の中にゼロから作るわけだから、交渉のプロ、土木・設計のプロ、そして軍事のプロが必要になる。

 

だから「助っ人」を連れていったんだね。メイフラワー号102人の乗員のうち、約半数がこれらの助っ人だったんだよ。

 

その中にシェイクスピアが『テンペスト』のモデルにしたと言われている人物がいた。

 

一度は植民地経営に失敗してるとはいえ、その経験はとても貴重だ。そこを買われて参加したんだろうね。

 

 

 

やっぱりこっちにつながっていくんだな…

 

 

『テンペスト』も、言ってみれば「エイリアン」の物語だからね。

 

勝手に島にやって来た異邦人が、全く異質な文化をもつ先住民を支配しようとした。異邦人から見れば異文化の先住民は「エイリアン」だけど、先住民から見れば異邦人も「エイリアン」だ。

 

これは『LIFE』の構図と全く同じだね。

 

グロテスクに描かれるけれど、『テンペスト』の「Caliban」も『LIFE』の「Calvin」も、何も悪いことはしていない。

 

 

どちらの物語でも、ある日人間が突然やって来て、「人間=親、先住民=子」という上下関係を押し付け、頼んでもないのに支配しようとしたことに対し、先住民としての自己防衛を行っただけに過ぎないんだ。

 

ただ『テンペスト』の場合は、最後に人間は元いた世界へ帰って行き、先住民は奴隷状態から解放されるんだけどね…

 

 

シェイクスピアが寓話的に描いたものを、『LIFE』はテーマをより先鋭化させて、視覚的にもリアルに描いたっちゅうわけか…

 

 

ミランダ・ノース検疫官の「Miranda」の件はわかった…

 

じゃあ苗字「North」は?

 

 

こちらは「ノース卿」のことだろうね。

 

 

Frederic North(1732-1792)

 

 

ノース卿?誰それ!?

 

 

アメリカ独立戦争時のイギリス首相だよ。

 

イギリスの「アンダー・コントロール」にあると思っていた植民地政府が牙をむいた時、こんなことを叫んだと言われている…

 

 

「なんという恐ろしいことだ…。このままではすべてが終わってしまう!」

 

 

 

それミランダ・ノース検疫官の警告メッセージ(笑)

 

 

笑えるよね。

 

ノース卿は「アメリカを失った首相」として有名なんだ。

 

これも「母子」の別れだよね。イギリスが「生みの親」で、植民地アメリカは「子」みたいなもんだから。

 

というわけで、ミランダ・ノース検疫官のモデルは「シェイクスピア『テンペスト』のミランダ」と「英首相ノース卿」でした。

 

だから彼女はイギリス人だったんだね。

 

 

ねえねえ…

 

さっき聞き忘れたんだけど、デビッド・ジョーダン医師が「アメリカ人」だった理由は?

 

イエス・キリストはアメリカ人じゃないでしょ?

 

 

そこはこの映画にとって重要なポイントだ。カルビンの回でたっぷり話すとしよう。

 

ということで次回は残りの二人のクルー、我らが真田広之演じるショウ・ムラカミと、生物学者のヒューイ・デリーを紹介します。

 

 

イギリス人やったヒューイは想像つくけど、日本人のショウ・ムラカミはわからんな…

 

ピルグリム・ファーザーズにもアメリカ独立戦争にも日本人は絡まんやろ。

 

 

ふふふ。乞うご期待。

 

 

JUGEMテーマ:映画

全米映画興行収入ランキング(7/6〜8編)

 

 

 

お待っとさんでした。

 

毎週月曜恒例のBOX OFFICE全米映画興行収入ランキング、7月6〜8日のトップ10はこちら!

 

 

1)ANT-MAN AND THE WASP

 

$76.0M ($76.0M) 1週目

 

 

2)INCREDIBLES 2

 

$29.0M ($504.4M) 4週目

 


3)JURASSIC WORLD: FALLEN KINGDOM

 

$28.6M ($333.3M) 3週目

 


4)THE FIRST PURGE

 

$17.2M ($31.1M) 1週目

 


5)SICARIO: DAY OF THE SOLDADO

 

$7.3M ($35.5M) 2週目

 


6)UNCLE DREW

 

$6.6M ($29.9M) 2週目

 


7)OCEAN'S EIGHT

 

$5.3M (126.8M) 5週目

 


8)TAG

 

$3.1M ($48.3M) 4週目

 


9)Won't You Be My Neighbor?

 

$2.6M ($12.4M) 5週目
 


10)DEADPOOL 2

 

$1.7M ($314.5M) 8週目

 

 

 

 

1位は『アントマン&ワスプ』だ!

 

 

 

「WASP」って「ホワイト・アングロサクソン・サバーバン・プロテスタント」のことか?

 

 

そんなややこしいことしないと思うよ。

 

 

前作『アントマン』の公開3日間成績より「$20M」もアップだってね!

 

 

『アントマン』の数字が悪過ぎたっちゅうこともあるけど、まあまあの滑り出しとちゃうか?

 

 

もっと上を狙っていたと思うけどね。

 

おそらく彼らにとって予想外だったのは、『インクレディブル・ファミリー』の歴史的メガヒットだ。

 

まさか4週目で「この位置」にいて「こんな数字」を上げているとは誰も思っていなかっただろう…

 

映画を作ったブラッド・バード本人も…

 

ブラッド・バードと『インクレディブル・ファミリー』

 

 

たった4週で、もう米国内興行収入5憶ドルを超えてるんだね…

 

 

アニメ映画の新記録だ。スゴイよね。

 

1) INCREDIBLE 2   ($504M)

2) FINDING DORY  ($486M)

3) SHREK 2            ($441M)

4) THE LION KING  ($422M)

5) TOY STORY 3     ($415M)

6) FROZEN             ($400M)

 

 

アナ雪やドリーも軽く抜いとるやんけ!

 

 

この勢いなら6億ドルは確実だね。

 

ただ海外での売上はアメリカ国内の半分なんだ。

 

アナ雪やドリーは逆だったよね。海外で国内の倍近く稼いだ。

 

だから世界トータルではイマイチなんだよ。きっとアメリカ人の心の琴線に強く訴えかける内容なんだろう。

 

 

3位は『ジュラシック・ワールド/炎の王国』だ!

 

 

 

こっちは日本で挽回せんとアカンな…

 

 

だね。米国内では厳しい数字になっている。

 

 

 

がんばれ恐竜とスピルバーグ!

 

4位には『ザ・ファースト・パージ』が初登場だぞ!

 

 

 

 

何かとストレスの多いアメリカ人が日頃の鬱憤を晴らす祭り『パージ』シリーズ最新作やな。

 

 

 

これまで3作が作られたシリーズの前日譚だね。

 

12時間、殺人やり放題の「パージ法」がなぜ制定されたのかを描いているそうだ。

 

7月4日の建国記念日に公開するなんて皮肉が効き過ぎてる。アメリカはこれまで多くの「アメリカ人」を殺して来たからね…

 

 

アメリカ人がアメリカ人を?南北戦争のことか?

 

あれは正式な戦争やからOKやろ。殺人とはちゃうで。

 

 

じゃあ先住民であるインディアンやメキシコ人は?

 

 

む…

 

 

今僕が解説シリーズを書いている『LIFE』も同じテーマを扱ったものだ。

 

アメリカ人による「アメリカ人」殺し、だね。

 

映画『LIFE(ライフ)』徹底解説

 

 

おっかねえや!

 

 

5位の『シカリオ:デイ・オブ・ソルダード』と6位の『アンクル・ドリュー』は前回紹介したね。

 

興行収入ランキング(6/29-7/1)

 

 

7位には、綺麗なお姉さんたちのセクシーアクション映画『オーシャンズ8』が、またまたランクイン!

 

興行収入ランキング(6/8-10)

 

 

監督のゲイリー・ロスは、前作『ニュートン・ナイト/自由の旗をかかげた男(原題:The Free State of Jones)』が不本意な結果に終わったから、今回のヒットで息を吹き返したんじゃないかな。

 

 

次に撮る作品が楽しみだね。

 

 

8位は、いい年したオトナの「本気」鬼ごっこ映画『タグ』がランクインや。

 

そんで9位には…

 

また『Won't You Be My Neighbor?』か!

 

興行収入ランキング(6/22-24)

 

 

何十年も昔の子供向け教育番組を題材にしたドキュメンタリー映画が、公開5週目でもトップテンに入ってるって凄いよね。

 

 

 

それだけアメリカ国民が「隣人」について考えてるってことでしょ?

 

 

トランプ政権が不法滞在者の厳罰化を推し進めたり、幼い子が両親と離ればなれになっとることが問題視されたり…

 

いろいろ大変な事態になっとるからな。

 

 

 

移民政策が正面切って議論されないまま「なし崩し的」になってる日本も、この「隣人問題」は他人事じゃないんだよね…

 

 

こういう映画がロングランしていることを日本のメディアはきちんと取り上げなければいけない。

 

メジャースタジオの「広報」ばかりしてる場合じゃないと思うんだ。

 

本作の監督は、日本でも広く宣伝されたドキュメンタリー作品『バックコーラスの歌姫たち』のモーガン・ネヴィルなんだけど、あの時と違って全く取り上げられていない。

 

なぜ今、このドキュメンタリー作品が全米で多くの人に観られているのか、きちんと考え、伝えなきゃいけないよね。

 

 

そうだそうだ!

 

 

なんだかちょっと説教臭くなってしまったな…

 

僕らしくもない。

 

さて、書きかけの『LIFE』に戻るとするか…

 

 

あの続きがチョー気になるから、早く書いてくれ!

 

映画『LIFE』解説第2回「俺ちゃん、エイリアン法を語る」

 

 

 

 

『インクレディブル・ファミリー』半端ないって!公開4週目で5憶ドル突破するもん。そんなんできひんやん普通。そんなんできる?新記録や。全部新記録や。ブラッド・バードうまいな〜。(もう絶対日本でも認知されますね)『レディ・プレイヤー1』でアイアン・ジャイアント使わんかったらよかった。

 

スティーブン談

 

JUGEMテーマ:映画

俺ちゃん、エイリアン法を語る〜映画『LIFE』解説2

 

 

 

 

さて、前回に引き続き「アメリカの子供たちによる宇宙飛行士インタビュー・シーンから見える映画の真のストーリー」を考えていこう。

 

 

二人目は、ライアン・レイノルズ演じる航空エンジニア「ローリー・アダムス」についてだったね。

 

 

 

ロシアの女帝「キャット」こと「エカテリーナ司令官編」はコチラ!

 

第1回「キャット司令官編」

 

 

ライアン・レイノルズっちゅうたら、今ノリノリの役者やな。

 

 

まさにそうだよね。

 

かつて「グリーン・ランタン」だった彼は、今では「俺ちゃん」こと「デッドプール」として世界的人気を博している。

 

 

 

グリーン・ランタン!

 

すっかり忘れとったけど、レイノルズはDCのヒーロー「グリーン・ランタン」も演じとったな…

 

せやけど大コケしてデップーに専念することになり、結果としてそれが吉と出たんや…

 

 

ちなみに彼は、2019年に公開される実写版ポケモン映画『名探偵ピカチュウ』で「ピカチュウ」の声を演じることになっている。

 

 

 

マジで!?俺ちゃんがピカチュウやるんか!

 

せやけど、こうして並んどると、まるでセネガル国旗やな…

 

 

 

なるほど、確かに!

 

じゃあライアン・レイノルズには、こちらも2019年11月に公開予定の「ソニック君」実写版でも主演してもらわないとな…

 

エグゼクティブプロデューサーが『デッドプール』の監督さんらしいから…

 

そしたら、青が加わってモーリシャスの国旗に…

 

 

 

そう来たか!

 

せやけど青キャラやるんやったら、ついでに白キャラ映画でも主演して…

 

これでセーシェルの国旗が完成や!

 

 

 

あんたら、さっきから何ライアン・レイノルズで遊んでんだよ!

 

しかもその白キャラ映画での主演とか、絶対ありえないし!

 

 

ごめんごめん。

 

「グリーン・ランタン」の話題を出したかっただけなんだけど、ついつい悪ノリしてしまった…

 

アラン君が「宇宙人は緑色なの?」って質問して、キャット司令官がそれを否定して、そのタイミングで、かつてグリーン・ランタンを演じたライアン・レイノルズが割って入って来るなんてナイスだよね…って言いたかっただけなんだ。

 

 

それだけのためやったんか…

 

めっちゃ時間かけて画像を作っとったけど、アホやな。

 

 

さて、アラン君の次の質問者は8歳のマリちゃん。

 

彼女はアダムスにこんな質問をぶつけた。

 

 

「エイリアンを地球に連れてくるの?」

 

 

アダムスは答える。

 

 

「いや、今は隔離しなきゃ。安全なこの場所で、奴が何者なのか知る必要がある」

 

 

 

これも「モデルになった人物」のヒントになってるの?

 

 

もちろん。

 

まあ「RORY ADAMS」という役名を見れば一目瞭然なんだけどね…

 

さっきのセリフは、アメリカ合衆国の第2代大統領ジョン・アダムズが元ネタなんだ。

 

John Adams 1735-1826

 

 

エカテリーナ・キャット司令官は「エカテリーナ2世」で、ローリー・アダムズは「ジョン・アダムズ大統領」か。

 

そのまんまやんけ。

 

 

そう、そのまんまなんだよ。わかりやすいでしょ?

 

 

じゃあ「ローリー」は?

 

寺西?

 

 

「RORY」という名前の語源は「赤い戦士」とか「錆びついた・役立たず」って意味なんだ。

 

前者ではライアン・レイノルズの代表作「デッドプール」を表していて、後者では無駄口の多い役立たずのアダムズ飛行士を表しているよね。

 

 

こっちもそのまんまだったんだ(笑)

 

 

さっきのセリフとジョン・アダムズ大統領の関係を教えろや。

 

アダムズ大統領は「エイリアン法」でも施行しようとしたんか?

 

 

それ月刊ムーで読んだことある!

 

アメリカの歴代大統領は、みんなエイリアンと会っているんだよね!

 

ヒラリー・クリントンは大統領になったらエイリアンの存在を公にするって言ったから、圧力がかかって当選できなかったんだって!

 

 

 

ベイビー、月刊ムーが宇宙人について書いていることは全部嘘だぜ。

 

 

ええ!そうなの!?

 

 

そうだろ?

 

 

何やってんだよ(笑)

 

 

めんごめんご。

 

しかしさっきの動画はダメだね。

 

初代大統領ワシントンと第3代大統領ジェファーソンを出して、肝心の第2代大統領アダムズに触れていない。

 

アダムズこそ「エイリアン法」を制定した張本人なのに…

 

 

ま、マジですか!?

 

 

ジョン・アダムズ大統領は「エイリアン法」にサインしたことで米国史に名を残した大統領なんだ。

 

この「エイリアン法」は4つの法律で構成されていたんだけど、そのうちの1つは今も有効で、トランプ政権になって再び論議の的になっている…

 

 

 

ええ!うそォ!

 

ギャグじゃなかったの!?

 

 

インディアン嘘つかない。おかえもんも嘘つかない。

 

 

そうゆうのいらないから、早く教えろ!

 

何だよ「エイリアン法」って!?

 

 

アダムズ大統領は4つのエイリアン関連法からなる『Alien and Sedition Acts』にサインし、1798年より施行された。

 

まず1つが「エイリアン帰化法」

 

それまでエイリアンは米国内に5年間滞在すればアメリカ国民として認められていた。それを一気に14年間に延長したんだ。

 

これによってエイリアンの米国市民権取得のハードルが高くなった。

 

そもそもこのエイリアン法は、アダムズ率いる連邦党が、ライバルであるトマス・ジェファーソンの民主共和党を潰すためだったと言われている。

 

民主共和党の支持者には、アメリカに来て日の浅いエイリアンが多かったんだ…

 

 

マジかよ…

 

そんなの学校では教えてくれなかった…

 

 

そして2つ目が「友好的エイリアン法」

 

この法律はエイリアンを「安全なエイリアン」と「危険なエイリアン」に分けることを目的とする法律だ。

 

ひとたび「アメリカ合衆国にとって危険」と判断されたエイリアンは、問答無用で国外退去、つまり排除される…

 

マリちゃんの質問にローリー・アダムズ飛行士が答えたのは、これを元ネタにしたものだね。

 

 

ん?

 

 

3つ目は「敵性エイリアン法」

 

アメリカ合衆国と敵対する勢力の在米エイリアンは「敵性エイリアン」とし、アメリカがその勢力と交戦状態に入った時は、彼らの資産を没収して強制的に身柄を連行したり、国外強制退去にすることができるというもの。

 

この法律は現在も有効で、これまで多くのエイリアンが「敵性」と見做され、強制収容所に隔離されてきた歴史がある…

 

 

すっご〜い!

 

アメリカには宇宙人がゴロゴロいるって話、ホントだったんだ!


 

そろそろ気付けや、ボケ。

 

全部「外国人」のことやんけ…

 

 

はにゃ?

 

 

だから前回も言ったよね?

 

「エイリアン」が「宇宙人」という意味で使われるようになったのは最近のことだって…

 

本来の意味は「外から来た人」だよ。

 

 

ああ、そうだった…

 

 

この『Alien and Sedition Acts』は、日本語では『外国人・治安諸法』と呼ばれる。

 

第二次大戦中は日系人も対象になったことは知ってるよね。多くの日系人が「敵性エイリアン」とされ強制収容所に隔離された。

 

ちなみに4つ目の法律は「治安法」だ。

 

これは外国人にかかわらず全ての人に対し、米国や大統領、連邦議会議長などへの「虚偽や誹謗中傷の文書」を出版することを禁じるもの。

 

つまり体制批判を封じるための言論弾圧だね。

 

 

自由と民主主義の国アメリカっぽくない…

 

 

でも、それくらい切羽詰まってたんだよ。

 

さすがに必要性が無ければ、こんな法律は施行されないでしょ。

 

 

確かに。


 

実は独立当時のアメリカって、いきなり「南北戦争」が起こってもおかしくない状態だったんだよ。

 

「奴隷制度の是非」や「フランス革命の解釈」で南北アメリカは最初から対立していたんだよね。フランス系住民の中にはパリ・コミューンの過激な政治思想をアメリカにも持ち込もうとする者もいたんだ。

 

でもまだ国家としての基盤が脆弱なので、何としても内戦だけは避けたかった。ここで内輪揉めなんか始めたら、新大陸で利権争いを繰り広げるイギリスやフランス、スペインなどの思う壺だから。

 

この危機を誰よりも理解していたのが、第2代大統領ジョン・アダムズなんだよ。

 

だからこんな国家としても人としても「汚点」になりかねない法律にもサインしたんだ…

 

この事実によってアダムズの評価は建国の父の中で最悪レベルだったんだけど、近年、再評価されるようになってきた。

 

長期的視野をもち、世論や感情に流されず、汚れ役を自ら買って出た真の愛国者だってね。

 

 

せやからローリー・アダムス飛行士は、エイリアンに過度な親近感を持つことに危機感を抱き、慎重な姿勢を貫いたんやな…

 

モデルになったアダムズ大統領そのまんまの性格なんや…

 

 

そうだね。

 

政治家になる前は剛腕弁護士として鳴らしたアダムズ大統領は、口が悪いことでも有名だった。皮肉とブラックジョークの天才だったんだよ。

 

そのへんも一緒だね。

 

 

なるほど…

 

まさに「俺ちゃん」だったのか…

 

 

さて、ローリー・アダムズ飛行士が答えた後に、キャット司令官はISS(国際宇宙ステーション)の説明をする。

 

ここも面白いんだ。

 

 

「ISSはとってもお金がかかるの。ここまでに建て増しをしながらtwo hundred billion米ドルという大金が注ぎ込まれてきたのよ。一日に地球を16周もして、ここ30年間で100人以上がISSに滞在したわ」

 

 

 

ただ普通に説明しただけじゃんか。

 

 

いや、数字がアヤシイんとちゃうか?

 

なんか他のことを意味しとるかもしれん…

 

 

その通り。

 

実は「30」を「20」にすると「ピルグリム・ファーザーズ」のことになるんだよ。

 

彼らは「1620」年にメイフラワー号でアメリカ東海岸のケープ・コッドに辿り着いた。

 

その人数は「102」人だったんだね。「two hundred」は逆さになってたんだ。

 

ちなみにイギリスを出発した時はメイフラワー号の他にスピードウェル号という船も一緒で、そっちには30名が乗り込んでいた。「30」はその数のことかもしれない。

 

 

 

 

細か過ぎでしょ!

 

 

でもね、この映画に出て来る数字は、全部別の意味が隠されているんだ。

 

そういうのを考えながら観ると面白いよ。

 

 

そんな観方は邪道だよ!

 

だいいちストーリーに集中できないじゃんか!

 

 

最初は見たまんまのストーリーに乗って楽しむ…

 

その後は映画制作者が仕込んだ仕掛けを拾いながら、そこに隠された真の物語を読み解く…

 

せっかくそういうふうに作られているんだから「見たまんま」だけ観てても勿体ないでしょ。

 

 

 

確かにカズオ・イシグロの『日の名残り』や『夜想曲集』、ケルアックの『孤独な旅人』、コーエン兄弟の『バートン・フィンク』、そしてクリストファー・ノーランの作品群など、これまでおかえもんが取り上げて来た映画や小説は、みんなそうだったけど…

 

 

いくら反響が毎回ゼロだからといって、僕を疑うのはそろそろやめてくれないか。

 

確かに僕の解説はいつも突拍子もないものかもしれない。他の人の解説を見ても、誰も僕と同じようなことを言ってる人はいないからね。

 

だけど、真実とは常に理解されないものなんだ。

 

あれだけの真実を説いたイエスだって、当時は理解されなかったわけだからね…

 

 

ということで次の「クルー紹介」は、ジェイク・ギレンホール演じる「デヴィッド・ジョーダン飛行士」だ。

 

 

この映画最大のキーパーソンだよ。お楽しみに!

 

 

 

JUGEMテーマ:映画

カルビン、宇宙を渡る〜『ライフ』よもやま話1

 

 

 

 

カルビン?ライフ?

 

なんだこれ?

 

 

これのことやろ。

 

「カルビン」っちゅうのは火星からお持ち帰りした謎の生命体に付けられた名前や。

 

 

 

その通り。

 

この映画について、どうしても言っておきたいことがあってね。

 

 

また「宇宙人もの」か…

 

この前『メッセージ』やったばかりじゃん。

 

『ARRIVAL(邦題:メッセージ)』解説3

「Youは何しに函館へ?」

 

 

あれ、超自信作だったんだけど、例によって反響が全然なくてね…

 

このままじゃ悔しいんで、まだ誰も気づいてない『LIFE』の秘密を暴いちゃおうと思った次第。

 

今度こそみんなを僕の才能の前に跪かせてやる。

 

 

動機の不純度120%やな…

 

 

これまだ2017年の映画じゃん。

 

例によって究極のネタバレ解説するんだろうけど、いいのかな…?

 

 

たぶんこの映画は「うわべのストーリー」だけ追っても、たいして面白くないと思うんだ。

 

キャストが無駄に豪華なB級SF映画にしか見えないだろうから…

 

でも本当はすっごく社会風刺が効いた物語なんだよ。

 

いや「すっごく」どころじゃない。実は超ヘビーなテーマの映画なんだ。

 

ぼくとしては、そこを踏まえてこの映画を多くの人に観てもらいたい。

 

確かに究極のネタバレなんだけど、この映画をフルに楽しむためのトリセツだと思ってくれたらいい…

 

 

そこまで言うか!よし、話を聞いてやろう!

 

 

この物語は、「未知の生命体」を含んだ土壌サンプルを採取した火星探査機が、地球へ戻る前に国際宇宙ステーションに寄るところから始まる。生命体の安全確認のためにね。

 

で、ここがこの映画の脚本家の天才的なところなんだけど…

 

この冒頭シーンで既に映画の「究極のネタバレ」がさりげなく提示されているんだ。

 

 

ハァ!?

 

 

この火星探査機の名前が「PILGRIM7」というんだよね。

 

「PILGRIM」とは「巡礼始祖」という意味だ。

 

1620年にメイフラワー号で大西洋を渡ってマサチューセッツに入植した人たちを「ピルグリム・ファーザーズ」と呼ぶことは学校で習ったでしょ?

 

 

うん、習った!

 

でも何で「巡礼始祖」なんだろう?別にアメリカまで巡礼に来たわけじゃないでしょ?

 

 

いや、彼らにとっては「聖地巡礼の旅」だったんだよ。正確に言えば「新しい聖地」だけどね。

 

ピルグリム・ファーザーズと呼ばれた彼らは、清教徒、いわゆるカルヴァン主義を掲げるピューリタンだった。しかもイングランド国教会からの独立を訴える「分離派」と呼ばれる急進的なグループだったんだね。

 

だからイギリス国内で厳しく弾圧され、ひとまずオランダに逃げた。だけどイギリスとは目と鼻の先なんでイギリスの官憲の手からは逃れられなかった。

 

そこで彼らは新世界アメリカへ渡ることを決意する。

 

でも今と違って非常に危険な旅だよね。船なんて簡単に沈没するし、運よく上陸できても先住民のインディアンに皆殺しにされることも珍しくなかった。

 

だから彼らは自分たちをこう奮い立たせたんだ…

 

「俺たちは現代のモーセだ!危険な海を渡ったモーセの再来だ!神に見捨てられたエジプトのようなイギリスを捨て、俺たちは約束の地を目指す!海の向こうの新世界アメリカこそ、新しいイスラエルなのだ!」

 

 

マジで?

 

 

だからアメリカがイギリスと独立戦争を始めた際に「国印を決めよう」ということになったんだけど、その第一候補が「海を渡ったモーセと、海に飲み込まれるファラオの軍勢」のデザインだったんだよ。

 

「神は我らが側にあり!イギリスに未来はない!」ってことだよね(笑)

 

 

うわあ…

 

あの大英帝国と戦争になって興奮してたのはわかるけど、その後の外交とか考えたらボツにして正解だったな…

 

トランプ政権である今のアメリカがこれを使ってたらシャレにならない…

 

 

まあそういうわけで、『ライフ』という映画が「ピルグリム・ファーザーズ」の物語をベースにしたものであることがわかってもらえたと思う。

 

 

いや、全然わからないし!

 

「ピルグリム」なんて探査機の名前は「いつか火星に移住できたらいいなあ」くらいのノリで付けられたかもじゃんか!

 

 

まったく疑い深いなあ…

 

僕が言ってるんだから間違いないのに。

 

 

その謎の自信も意味不明ですから!

 

 

じゃあ順を追って説明していくしかないね。

 

まずは登場人物から。

 

火星探査機が到着した国際宇宙ステーション(ISS)には6人のクルーがいた。

 

 

各人の名前、演者、職業、国籍も紹介しよう。

 

デヴィッド・ジョーダン(ジェイク・ギレンホール):医師、USA

 

ミランダ・ノース(レベッカ・ファーガソン):検疫官、UK

 

ヒュー・デリー(アリヨン・バカレ):宇宙生物学者、UK

 

エカテリーナ・”キャット”・ゴロヴキナ(オルガ・ディホヴィチナヤ):司令官、RUSSIA

 

ローリー・アダムズ(ライアン・レイノルズ):航空エンジニア、USA

 

ショウ・ムラカミ(真田広之):システムエンジニア、JAPAN

 

 

いつもはこんなに登場人物を詳しく紹介しないよね…

 

国籍とか、なんか意味あるの?

 

 

あるどころの騒ぎじゃないよ。

 

名前と国籍で「モデルとなった人物」がわかるようになっているんだ。そこが理解できて初めて「真のストーリー」が見えてくるようになっている。

 

 

ええ!?

 

モデル!?真のストーリー!?

 

 

映画作る人が、何も考えずにキャラクターの名前つけたり国籍決めたりすると思う?

 

脚本家のレット・リースとポール・ワーニック、そして監督のダニエル・エスピノーサを甘く見ないでほしいね。

 

もちろん、この僕のことも。

 

 

あんたのことはどうでもいいから、「モデルになった人物」と「真のストーリー」とやらを解説しろ!

 

 

はいはい…

 

じゃあまずはこの動画を見てもらおうかな。

 

この映画の「秘密を解き明かすキーワード」がテンコ盛りのシーンだ。

 

地球外生物の発見に沸く地球の人々…というか、事の重大さがイマイチわかってないアメリカの子供3人の質問に、宇宙飛行士たちが答えるシーンだね。

 

 

 

「他愛もない」を絵に描いたようなシーンやんけ。

 

 

そうだよ、どこが「秘密テンコ盛り」なの?

 

アメリカの子供たち平均知能低すぎでしょ(笑)

 

 

わざとバカっぽい質問にしてるんだよ。「キーワード」を仕込むためにね。

 

まずはアラン少年がキャット司令官にこんな質問をする。

 

 

「(エイリアンは)緑色ですか?」

 

 

 

何がキーワードやねん。緑の宇宙人とかベタ過ぎるやろ。

 

こんなしょーもないガキが何でアメリカ代表でテレビに出とるんや?

 

アホちゃうか、アメリカ人。

 

 

いや、アラン君はとんでもなく鋭い質問をしているんだよ。

 

アホなのはナンボクのほうだ。

 

 

なんやとォ!?

 

 

まあまあ…

 

いったいどうゆうことなのさ、おかえもん?


 

アラン君はキャット司令官の「正体」を無意識下で見抜いてるんだよ。

 

彼女、実は「緑色をしたエイリアン」なんだよね…

 

 

 

 

ハァ!?なに言ってんだよ!?

 

アタマ大丈夫か?

 

 

恐らく世界初公開になるだろう…

 

これがキャット司令官の本当の姿だ…

 

 

 

いや…ちょっと待って…

 

確かに「緑色」だけど、どう見ても「エイリアン」じゃないでしょ…

 

てかこの人、誰?

 

 

 

緑色の軍服に身を包む男装の麗人…

 

彼女の名は、ロシアの女帝、エカテリーナ2世…

 

 

あ、あの有名なチチョ…じゃなくてエカチェリーナ2世!?

 

 

この緑の軍服姿は、彼女がクーデターを指揮した時のもの…

 

夫である皇帝ピョートル3世に反旗を翻し、力ずくで退位させ、自分が女帝となった時のものだ…

 

だから国際宇宙ステーションでも、司令官が男性じゃなくて女性だったんだね。

 

キャットの本名も「エカテリーナ」だから。

 

 

でもクーデターまで起こす女帝だからといって「エイリアン」のわけがない!

 

大黒屋光太夫みたいに直接会ったわけじゃないから断言はできないけど、99.999%人間のはず!

 

 

人間なのは間違いないだろう。

 

でも彼女は「100%エイリアン」なんだ。

 

 

へ?

 

 

どうやら君たちは「エイリアン=宇宙人」だと勘違いしてるようだね。

 

そもそも「alien」って「外国人・異邦人」って意味なんだよ。外から来た人は皆「エイリアン」なんだ。

 

「宇宙人」なんて意味で使い始めたのは、ここ最近のことなんだよね。

 

 

そ、そうなの!?

 

 

せやった!

 

80年代にはスティングが「ワイは法の上ではエイリアン」って言うとったやんけ…

 

 

 

エカテリーナ2世は、父がプロイセンの軍人で、母がデンマーク系ドイツ人貴族というルター派キリスト教徒の両親のもとに生まれ、2歳からはユグノーのフランス人、つまりカルヴァン派の教師のもとで育てられた。生粋のプロテスタントなんだ。

 

15歳でロシアに渡りロシア正教に改宗するんだけど、彼女にはロシア人の血は流れていない。だからロシア国民からするとバリバリの「エイリアン」なんだよね。

 

まあ当時のヨーロッパの王室では、決して珍しいことじゃないんだけど。

 

 

そうゆうことか…

 

アラン、すまん。馬鹿にして…

 

 

まだまだアラン君の凄さをわかってないと思うよ。

 

実はあの質問って「ダブルミーニング」になっているんだ…

 

「(エイリアンは)緑色ですか?」って…

 

 

「(外から来た人は)カトリックですか?」

 

 

という意味でもあるんだよね。

 

 

な、なんで?

 

 

アイルランドの国旗を思い出してごらん。あの三色ってどんな意味だったっけ…

 

 

 

え〜と…

 

緑がカトリックで、白が中立・調和で…

 

オレンジがオランダのカルヴァン派プロテスタント…

 

あっ!

 

 

そういうこと。

 

アラン君は、火星探査機「ピルグリム」に運ばれて来た「エイリアン」を「緑色ですか?」と聞いた。

 

でもこれは「海を渡って来たピルグリム・ファーザーズはカトリックですか?」という意味でもあったんだね。

 

 

げげぇ!

 

 

ちなみに言っておくと、この映画での「火星」とは宗教改革の父「マルティン・ルター」のことでもあるんだ。

 

 

Martin Luther 1483-1546

 

「Martian(火星人)」と「Martin(マルティン)」って一文字違いだからね。

 

「火星の土壌」から「カルビン」が採取されたというのは…

 

「マルティン・ルターが耕した宗教改革の土壌」から「カルヴァン主義」が生まれたという意味になっているんだよ。

 

 

全盛期の桂歌丸ばりの切れ味だ…

 

山田君、座布団…

 

 

面白いよね。

 

そしてキャット司令官はアラン君に対し、こんな風に答えるんだ…

 

 

「それはね、肉眼では見えないの。とっても小さな細胞なのよ。でもね、あなたの体だって、それが無数に集まって出来たものなのよ」

 

 

 

普通に細胞の説明じゃないの?

 

 

違うんだな。

 

彼女はアレン君に「アメリカ人」を説明しているんだよ。

 

アメリカ人の始祖ピルグリム・ファーザーズはカルヴィン主義の急進派である「分離派」だったんで、カトリックやイギリス国教会みたいにピラミッド型の聖職や教会組織を持たなかった。

 

信徒の万人が平等で、それぞれのグループにも上下関係はなかったんだ。そして教会もカトリックと違って超シンプル。質素で町内の集会所みたいな感じだったんだね。

 

つまり「NO COLOR」だったわけだ。

 

だけどスピリットは強い。見た目の派手さはないけど、ひとりひとりの個がしっかり立っていて、いざという時の団結力も半端ない。

 

その目に見えないピルグリム・ファーザーズの細胞が「アメリカ人」の体の中にはある…ってことをキャット司令官は言っていたんだ。

 

 

なるほどな…

 

せやけどキャット司令官はロシア人やろ?

 

なんでアメリカを熱く語るんや?

 

 

いいところに気が付いたね。

 

実はキャット司令官には、もうひとつ「モデル」がいるんだ。

 

そっちで彼女は「アメリカン」なんだよ。

 

 

 

もう「ひとつ」のモデルがアメリカン?

 

もう「ひとり」じゃなくて?

 

てか「アメリカン」って「アメリカ人」と違うの?

 

 

そう。

 

キャット司令官は「ネコ」なんだ。キャットだけに。

 

 

ね、ネコやと!?

 

レベッカ・ファーガソン演じるミランダが「タチ」ってことか!?

 

 

いや、そういう意味じゃなくて。ホントの猫だ。

 

実はピルグリム・ファーザーズの船メイフラワー号には「猫」が搭乗していたんだよ。

 

当時船内にはネズミがたくさんいて、ただでさえ節約しなければならない食料を食い荒らしていたんだ。

 

だからヨーロッパから猫も載せて来たんだね。ネズミ退治のために。

 

そしてピルグリム・ファーザーズが産めよ増やせよ地に満ちよで「アメリカ人」になったように、その時の猫も負けじと繁殖して「アメリカン・ショートヘアー」になったというわけ

 

 

そうだったのか!

 

だからキャット司令官は「ショートヘアー」だったんだな(笑)

 

 

笑えるよね。

 

さて、キャット司令官の「アメリカ人論」にアラン少年は驚いてみせる。

 

そしてなかなかパンチのきいたセリフを吐くんだよ…

 

 

「僕の体の中にもエイリアンがいるってこと!?」

 

 

 

やるな、アラン。あいつ黒人やったさかいな。

 

おそらくピルグリム・ファーザーズの細胞は入っとらん。別ルートの「アメリカ人」や。

 

レニー・ブルースや全盛期のエディ・マーフィーばりにキレッキレの返しやで。

 

 

まだ動画のアタマ12秒しか解説してないのに、内容が濃過ぎる…

 

 

アラン君の予想外のマジ返しに、笑顔のままフリーズするキャット司令官。

 

うしろで作業をしてる振りして話をずっと聞いてたローリー・アダムスが、話を「表の筋」に戻そうと助け船を出す。

 

 

「君の先生も時々そう思ってるだろうな」

 

 

つまり、

 

「大人が答えに困るようなことを聞くんじゃねーぞ。マイノリティーだからって調子に乗るなよな…」ってことだね。

 

 

「俺ちゃん」にしては回りくどいツッコミや。

 

 

だよね。R指定じゃない映画だから遠慮してるのかもしれない。

 

しかも子供たちは無反応だった。つまり滑ったんだね…

 

微妙な空気を察したアナウンサーはすかさず話題を変える。

 

次はそのローリー・アダムスへの質問だ。

 

続きは次回の講釈で。

 

 

 

長期戦の予感だな…

 

 

 

JUGEMテーマ:映画

全米映画興行収入ランキング(6/29〜7/1編)

 

 

 

 

 

お待っとさんでした。

 

毎週月曜恒例のBOX OFFICE全米映画興行収入ランキング、6月22〜24日のトップ10はこちら!

 

 

1)JURASSIC WORLD:FALLEN KINGDOM

 

$60.9M (265.7M)2週目

 

2)INCREDIBLES2

 

$46.4M ($440.6M)3週目

 

3)SICARIO:DAY OF THE SOLDADO

 

$19.0M ($19.0M)1週目

 

4)UNCLE DREW

 

$15.2M ($15.2M)1週目


5)OCEAN'S EIGHT

 

$8.3M ($115.0M)4週目

 

6)TAG

 

$5.9M ($41.1M)3週目


7)DEADPOOL2

 

$3.6M ($310.5M)7週目

 

8)SANJU

 

$2.7M ($2.7M)1週目


9)SOLO:A STAR WARS STORY

 

$2.7M ($207.7M)6週目


10)Won't You Be My Neighbor?

 

$2.4M ($7.6M)4週目

 

 

 

1位は先週に引き続き『ジュラシック・ワールド/炎の王国』だぞ!

 

 

 

せやけど、数字がガクっと落ちたな…

 

 

公開週の成績は前作比28%減の$148Mだったよね。そこから二週目への下げ幅も59%減と厳しい数字が出ている。

 

 

 

あらら…

 

ホント厳しい数字…

 

 

だけど日本のファンには朗報かもしれないね。

 

アメリカや世界で成績が芳しくないと、遅れて公開される日本に出演者や監督が続々とやって来て、普段よりもサービス精神三倍増くらいで営業活動してくれるケースが多々ある。

 

今回もそのパターンになるかもしれないよ。

 

 

喜んでいいのか悪いのか微妙やな。

 

 

そんでもって2位は『インクレディブル・ファミリー』だぞ!

 

 

こちらは勢いが止まらないね。

 

公開三週目にして早くも国内で4憶4千万ドル突破だ。あの『ジュラシックワールド』が完全に喰われてしまった。

 

 

鳥をナメたらアカン。

 

映画興行収入ランキング6/15-17編

 

 

ブラッド・バードは人間だけどね。

 

 

3位は『シカリオ:デイ・オブ・ソルダード』が初登場だ!

 

 

 

ん?『ボーダーライン』の続編か?

 

 


 

ってことは…

 

監督は、おかえもんが解説を書いた『ARRIVAL(邦題:メッセージ)』のドゥニ・ヴィルヌーヴ!?

 

 

 

『メッセージ』解説3「Youは何しに函館へ?」

 

 

今回は違うようだね。ステファノ・ソリマという人に引き継がれた。

 

だけど脚本は前作に引き続きテイラー・シェリダンが書いている。昨年、監督デビュー作『WIND RIVER(ウィンド・リバー)』がスマッシュヒットして、ますます注目を集めてるよね。

 

 

 

ああ!あの人か!一年前に紹介してたな!

 

「なぜか日本では無名だけど、もはやブレイク必至!」って熱弁してたけど、まだその気配はない。

 

 

日本人は脚本家にあまり注目しないからね…

 

さて、4位はこちらも初登場の『アンクル・ドリュー』だ。

 

 

 

なにこの映画?

 

おじいちゃんたちがバスケやる物語?

 

 

あれはただのジジイとちゃうで!

 

NBAの往年のスター選手だらけやんけ!

 

 

その通り。

 

主演の「ドリューおじさん」だけは、現役最高の選手のひとりカイリー・アービングが特殊メイクで演じてるんだけどね…

 

 

 

 

うそ!?

 

リオ五輪で優勝した米国代表チームの中心メンバーだった人じゃんか!

 

 

彼は2012年から続くペプシの人気CMシリーズで「ドリューおじさん」を演じているんだよ。

 

 

 

「どっきり風」だけど、絶対に違うでしょ!

 

 

もしかしたら最初だけは「どっきり」だったかもしれないよね。

 

日本でもBリーグでバスケブームらしいから、この映画も劇場公開されるといいな。

 

さて、5位は『オーシャンズ8』がランクインだ。

 

映画興行収入ランキング6/8-10編

 

 

ええ調子やな。女だらけのオーシャンズ。

 

 

そして6位には、いい年したオッサンたちによる真剣リアル鬼ごっこ『TAG』がランクイン!

 

7位は俺ちゃんの『デッドプール2』だ!

 

 

8位にはインド映画『サンジュ』が初登場だよ。

 

監督は『きっと、うまくいく』『PK』のラージクマール・ヒラニだね。

 

 

 

インド映画界のゴッドファーザー「サンジェイ・ダット」の伝記映画やんけ!

 

 

誰?

 

 

インド映画界の超大物だよ。生きる伝説みたいな人だ。

 

 

マーロン・ブランドとシルベスター・スタローンとジャン・レノと勝新太郎を足して4で割ったみたいな人だ。

 

しかもガチのヤク中になったり、リアルにギャングと銃撃戦をしたり、テロリストに間違えられて逮捕されたり、実際に刑務所に服役したりと、波乱万丈ぶりは桁違いだ。

 

 

 

SANJU、まじ半端ない…

 

 

せや、こうゆう人こそ「半端ない」って言うんやで。

 

 

題材が題材だけに、日本での公開は無さそうだな。人気の監督さんなんだけど。

 

さて、9位には『ハン・ソロ』が残った。

 

だけど米国内での興行成績が、まさかの2憶ドルで終わってしまったね。ちょっとビックリだ。

 

 

そんで10位には、またまた『Won't You Be My Neighbor?』が入っとるで。

 

 

 

どうしようもないおバカ映画も多いけど、こうゆうドキュメンタリー作品が毎週ランキングに入って来るからスゴイよね、アメリカは。

 

興行収入ランキング 6/22-24編

 

 

連邦判事の婆ちゃんのドキュメンタリー映画『RBG』も三週くらいトップテンに入っとったな。

 

興行収入ランキング 5/11-13編

 

 

どうしても派手な映画ばかりに目が行きがちだけど、こういう社会にとって重要なテーマを扱った作品が、全米の劇場で多くの人に観られてるということは、映画文化においてとても素晴らしいことだと思う。

 

 

おっさんも、毎回とりあげるしな。

 

こうゆう地味なドキュメンタリー作品や、数館でしか上映されとらん超マイナー作品を。

 

 

 

ふざけた映画解説ばかり書いてるけど、根は結構まじめなんだよね、おかえもんは。

 

 

照れ屋さんなんだよ、僕ってば。

 

 

あんまり自分で言う奴はいないよな。

 

 

さて、コーエン兄弟の続きに取り掛かるか。

 

お次は『RAISING ARIZONA(赤ちゃん泥棒)』だったね。乞うご期待!

 

コーエン兄弟解説シリーズ

 

 

 

 

 

『SANJU』

 

監督:ラージクマール・ヒラニ

 

出演:ランビール・カプール、ソナム・カプール、アヌーシュカ・シャルマ、マニーシャ・コイララ、ディア・ミルザ、パレシュ・ラワルほか

 

 

 

JUGEMテーマ:映画

映画『メッセージ』解説3「Youは何しに函館へ?」

 

 

 

さて今回は物語最大の秘密に迫っちゃおう。

 

 

 

前回を未読の方は、まずコチラを!

 

『ARRIVAL(メッセージ)』解説2「君の名は…」

 

 

しかし、なんやねん「物語最大の秘密」って?

 

 

勘の鋭い読者はもう気付いてるかもしれないけど、劇中で語られる「未来」って「過去」のことでもあるんだよ。

 

宇宙人の言語「ヘプタポッド語」って「時間の制約が無い」言語だ。だからこの言語で思考すると、直進的な時間の概念が無くなるんだね。

 

だからヘプタポッド語で「未来」に言及している時、実はそれが「過去」のことだったりする場合があるから注意しなければならない…

 

 

「未来」が「過去」ってこと?

 

 

その通り。

 

この映画に隠された最大の秘密は「時間の逆転」にあるんだ。

 

「未来が過去」になり「過去が未来」になっているんだね。

 

 

なぬ!?

 

 

だから映画の中で様々なものが「逆さ」になっているんだよ。

 

「HUMAN」と「LOUISE」が「逆さ」に読まれ…

 

宇宙人の姿かたちがソロモン神殿の柱を「逆さ」にしたもので…

 

ルイーズ・バンクス博士の娘が「HANNAH」と名付けられ…

 

ラストシーンに流れる曲はメロディが前後対称、つまり逆再生しても同じメロディになっていて…

 

映画が終わった後に表示される制作スタジオのロゴが、映画の冒頭とは「逆さ」に表示される…

 

これらは全部「時間の逆転」を伝えるための「ヒント」だったんだ。

 

ちょっと調べただけでもこんなにあるんだから、映画を観たらもっと見つかるだろうね。

 

 

マジかよ。なんてこった…

 

 

だから宇宙人が「3000年後」と言っていたのは「3000年前」のことなんだね。

 

 

3000年前って何があったっけ?

 

 

聖書で言うたら、ちょうどダビデやソロモン王の頃やろ…

 

 

まさにその通り。

 

今から3000年前、つまり紀元前1000年頃には、こんな出来事があったんだよ…

 

 

 

ハンナ(Hannah)が子サムエルを神に捧げる(出家させる)

 

預言者・士師(指導者)となったサムエルが、サウルをイスラエル部族連合国家の初代の王に任命

 

サウルが神の指示に背き、サムエルは羊飼いダビデを次の王に指名

 

サウルの死後、ダビデがイスラエル12支族の統一に成功。エルサレムを王国の首都に定める

 

ダビデが配下の将ウリヤの妻バト・シェバの入浴を覗き見て、その場で手を付けて妊娠させてしまう

 

十戒違反の不倫行為を隠蔽するため、ダビデはウリヤを激戦地へ送り込み、最前線で孤立させ戦死させる

 

未亡人となったバト・シェバは何事も無かったようにダビデと再婚し出産。それに怒った神が、罰として生まれて来た子の命を奪う

 

ダビデとバト・シェバの間にソロモンが誕生。成長したソロモンは後継者争いに勝利し王となる

 

ソロモンはリングを使ってあらゆる生物と会話をし、世界一の知者と称される

 

ソロモンは過去や未来の夢を見るようになり、夢の中で神のメッセージを聞くようになる

 

ソロモンが神の指示で、モーセの石板が収められた「契約の箱」を安置する神殿(ソロモンの第一神殿)と、政務を行う宮殿がセットになった巨大な城塞都市(現在のエルサレム旧市街地・神殿の丘)を建設する

 

 

 

なんか映画といろいろ共通点があるな…

 

まず「Hannah」でしょ…

 

それから宇宙人の船の数も「12」だったよね…

 

 

ウリヤが戦死してバト・シェバが未亡人になる…っちゅうのもそうやろ。

 

中国の将軍の嫁はんが残した言葉や。

 

「戦争で勝者は生まれない。生まれるのは未亡人だけ」とか言うとった。

 

そんでもって子供が死ぬのもそうや。言語学者ルイーズ・バンクス博士の娘も死んでもうた…

 

 

それから「リング」で人間以外の存在と会話したり、すべてを見通す不思議な夢を見たり…

 

そして宇宙人のデザインが、ソロモン神殿の柱そっくりだったり…

 

 

っちゅうことは…

 

謎の宇宙船は「イスラエル12支族」であり「ソロモン神殿」でもあり…

 

ルイーズ・バンクス博士はソロモン王っちゅうことか…?

 

 

その通り。

 

宇宙人と宇宙船には「離散したイスラエルの民」と「破壊されたソロモン神殿」が投影されているんだね。

 

世界各地に現れた「12の宇宙船」とは「離散と破壊の結果」を意味していたんだ。

 

宇宙人はそれを「元に戻す」ことを望んでいる。

 

つまり、ダビデが12支族を統一し、ソロモンが神殿を築いた「3000年前」の姿にね…

 

そのために人類の力が必要だと言っていたんだよ。

 

だから宇宙人は「言語学者ルイーズ・バンクス博士」をキーパーソンに選んだんだ。

 

宇宙人は彼女の名前「LOUISE」を「ESIUOL」と逆さに読んで「ISRAEL」だと思ってしまった。この二つは発音がよく似てるからね。

 

そしてここから「イスラエル」の物語の「逆再生」が始まる。

 

彼女は共通言語ヘプタポッド語の本を出し、人々に覚醒を求める。これは20世紀初頭に「ユダヤ人の共通語」であるヘブライ語が復元されたことの再現だね。

 

そしていずれ「3000年前」の状態が復元されることになるんだ…

 

 

うひゃあ…

 

たしかに「過去」や「未来」の概念が無い言語なんだから、「3000年」なんて決めつけちゃいけなかったんだ…

 

誰だよ、ヘプタポッド語を翻訳したのは…

 

 

言語学者ルイーズ・バンクス博士でしょ?

 

ヘプタポッド語を英語に訳すと、どうしても「時間の前後感覚」が発生するから、ついつい「3000年後」にしちゃったんだろう。

 

ちなみにこの映画の原作のタイトルは『STORY OF YOUR LIFE(あなたの人生の物語)』という。

 

この「YOU(あなた)」とは「イスラエル」のことだったんだね。

 

 

ねえねえ、おかえもん…

 

宇宙船が現れた12の場所とかも、やっぱり意味があるのかなあ…

 

 

 

いい質問だね。

 

実は僕もそれをずっと考えてたところなんだ。

 

 

日本の北海道も選ばれとったな。

 

函館上空に「ばかうけUFO」が浮かんどった…

 

 

 

 

しかしこの「WHY ARE THEY HERE?」ってコピーは挑発的だよね。

 

「どうせお前たちには分らんだろ」って言われてるみたいな気分になる。

 

 

どんなメンタリティしてんだよ、あんたは…

 

 

でも「函館」は12の場所の中で一番簡単なんだよね…

 

映画制作陣には悪いけど、一瞬で理由がわかった。

 

 

ど、どゆこと!?

 

 

だって「函(箱)」の「館」でしょ。

 

「契約の箱」が置かれてた「エルサレム神殿」のことじゃんか。

 

 

あ…

 

そうゆうのアリか?

 

 

アリでしょ。

 

しかも函館には「星」の形の「五稜郭」がある。

 

 

五芒星じゃダメじゃん!「六稜郭」だったらわかるけど!

 

 

そう?

 

「五稜郭」をよく見てごらん。どんな星の形をしてる?

 

 

 

 

ろ、六望星!?ダビデの星じゃんか!

 

なんで下にもうひとつ角があるんだよ!?

 

 

制作陣は、よくこれを知ってたよね…

 

グッジョブだ。

 

 

でもそれだったら五稜郭の真上に宇宙船を出せばよかったのに…

 

 

それだとさすがにバレバレになっちゃうでしょ。

 

ダビデの星の上に宇宙船が浮かんでいたら、どんな鈍感な人でも気付いてしまうよね。

 

だから何の変哲もない市街地の上に浮かべたんだけど、制作陣は密かに「粋な計らい」をしてくれた…

 

 

 

粋な計らい?

 

 

宇宙船の先端の真下には、ちょっと大きめのマンションがあるんだけどね…

 

グーグルマップで調べてみると、そのマンションの名前が、なんと…

 

「JEWEL TOWN 末広」というんだ。

 

 

 

 

じゅ、じゅ、ジュエル・タウン!?

 

 

かつてソロモンが建設したエルサレム神殿や宮殿は、世界中から集めた金や宝石で装飾されていた。まさしく「JEWEL TOWN」だったんだよ…

 

そして「末広」は「永続・繁栄」って意味だから…

 

「JEWEL TOWN 末広」というマンション名は「永遠に輝く都エルサレム」って意味になってるんだよね。

 

 

うひゃ〜!

 

さぶいぼ立ちまくり!

 

 

さすがの僕も、これには驚いた。

 

彼らが「WHY ARE THEY HERE?」なんて挑戦的なコピーをつけたのも納得だ。よっぽど自信があったんだろう…

 

でも僕が解いちゃったけどね(笑)

 

 

マジかよ…

 

原作者のテッド・チャンや監督のドゥニ・ヴィルヌーヴに確認を取りたいレベルの話だ…

 

 

彼らがこのブログを読んでくれてるといいけどね。

 

まあ、あり得ないだろうけど。

 

 

ちょっと待って…

 

他の11の場所もこんな風になってるってこと?

 

 

そうだよ。まだ全部は調べてないけど。

 

アメリカのモンタナ州、パキスタンのパンジャブ州、シエラレオネ、黒海、インド洋、グリーンランド、イギリスのデボン州…

 

この7つはすぐにわかった。

 

まだよくわからないのが、中国(上海と香港のミックス)、シベリア、スーダンのハルツーム、ベネズエラだね。

 

 

全部解説させるべきか…

 

それとも、もうこのあたりで終いにさせるべきか…

 

 

もうあとは同じような繰り返しになっちゃうからね。

 

宇宙人と映画の謎もわかっちゃったことだし…

 

反響やリクエストがたくさんあったら考えようかな。その時は映画と原作もチェックして、世界一詳しい決定版を書いちゃおう。

 

 

コーエン兄弟の『RAISING ARIZONA(赤ちゃん泥棒)』と『ミラーズ・クロッシング』を片付けなきゃいけないしね…

 

そこからまたカズオ・イシグロにも戻らなきゃだし…

 

 

書かなアカンやつ、ぎょうさんあるで。

 

「おかえもん 書きかけコレクション」

 

 

というわけで、これで映画『メッセージ』の解説は一旦おしまいとしよう。

 

そもそも映画を観てない僕の夢や妄想みたいな話にここまで付き合ってくれて本当にありがとう。

 

いつも感謝してます。また別の解説シリーズでお目にかかりましょう。

 

それでは皆さん、ごきげんよう、さようなら。

 

 

 

JUGEMテーマ:映画

映画『メッセージ』解説2「君の名は…」

 

 

 

 

 

さて、僕が映画『メッセージ』から受け取ったメッセージをザっと挙げていくよ。

 

ちなみに映画も原作小説もまだ未見だ。あくまで予告動画とウィキペディアなどから受け取った「ファースト・インプレッション」なので、もしかしたら僕の思い過ごしかもしれない。

 

 

そこらへんは「また何か言い出してるぞアイツ」くらいの広い心で許してやってください。いつものことなんで…

 

前編を未読の人は、まずコチラからどうぞ。

 

「映画『メッセージ』のメッセージ」前編

 

 

 

もうバレバレやけど進行上一応言っとく。

 

何で宇宙人は言語学者バンクス博士のメッセージを「右から左」に読んだんや?

 

 

もうバレバレだけど答えよう。

 

宇宙人が使う言葉って「ヘブライ語」が投影された言語なんだよ。

 

 

ええ!そうとは思ってたけど、やっぱり!

 

 

宇宙人は「右から左」に読むヘブライ語と同じように「HUMAN」や「LOUISE」という英単語も逆から読んでしまったんだね。

 

 

前回紹介したように「HUMAN」を「NAMUH(南無)」と勘違いしたり、「LOUISE」を「ESIUOL」と読んで発音がそっくりな「ISRAEL」のことだと早合点したわけだ…

 

 

ちなみに主人公の言語学者ルイーズ・バンクス博士の名前は、その意味をよく考えると実は完璧に「ネタバレ」になってるんだ。

 

 

「Louise」は逆さに読むと「ISRAEL」とほぼ同じ発音だし、そもそもの意味がゲルマン語で「至高の戦士」というもので、これは「ISRAEL(神に選ばれし戦士)」と同じ意味を持っている。

 

そして苗字の「Banks」とは「川沿いにある丘陵地帯」という意味。これはエルサレムのあるヨルダン川沿岸の丘陵地帯のことだね。

 

彼女の名前の意味を分析すれば、この物語が「何を描いている」のかわかるようになっていたわけだ。

 

 

なるほど確かに…

 

 

ウィキペディアによると、この宇宙人は「話し言葉」と「書き言葉」が「別言語」らしいね…

 

これもヘブライ語ネタだな。

 

 

え?ヘブライ語ってそうなん?

 

 

今はそうじゃないけど、100年前まではそうだったんだよ…

 

いや、厳密に言うと今でもそうなのかな。

 

 

ややこしい!

 

 

じゃあ簡単にヘブライ語の歴史を説明しようか…

 

ヘブライ語は約二千年の間、日常言語としては絶滅した言語だった。

 

すでにイエスの時代には、ユダヤの民は日常会話においてアラム語やギリシャ語を使っていたくらいだからね。

 

イエスの死後にエルサレム神殿が破壊されディアスポラ(民族離散)してからは、日常言語としてのヘブライ語は完全に消失してしまったんだ。

 

世界に散ったユダヤ人にとって、かつての母語ヘブライ語とは「聖書に書かれた古い言葉」になってしまったんだね。

 

 

ふむふむ…

 

 

そして19世紀末からシオニズム運動が盛んになり、ヨーロッパに散っていた多くのユダヤ人がパレスチナへ入植を始める。

 

だけどそこで大きな問題が起こった。みんなの話す言葉がバラバラだったんだね。

 

イディッシュ語、ドイツ語、ロシア語、フランス語、英語、スペイン語、オランダ語、ギリシャ語、アラビア語、そしてエスペラント語…

 

同じユダヤ人なのに、長い離散生活の結果、言葉が全く通じないという事態になってしまったんだ。

 

 

それは困る!

 

でも聖書に書かれてるヘブライ語を使えばいいんじゃね?

 

 

約二千年も日常言語として使われていなかったから、なんだかよくわからない言葉になっていたんだよ。シナゴーグでも、みんなラビの言われた通りに朗誦していただけだから。

 

日本で例えるなら「お経」の言葉だけで日常会話をするみたいなもんだ。

 

あれも元々はサンスクリット語だけど、そこに中国の漢字が当てはめられて、それを日本人が日本語の発音で読んでいるという何だかよくわからない現象になっているでしょ?

 

 

確かに(笑)

 

お経の言葉だけで日常生活なんて絶対ムリ。

 

 

そこに立ちあがったのが、エリエゼル・ベン・イェフダー博士だ。

 

 

Eliezer Ben-Yehuda(1858−1922)

 

イェフダー博士はヘブライ語を「全ユダヤ人共通の日常言語」として復活させることに文字通り命を捧げた。

 

聖書の古ヘブライ語を徹底的に調べ上げ、足りない語を創作するなどして現代社会に適応させ、それを『ヘブライ語大辞典』としてまとめ上げたんだよ。

 

こうしてユダヤ人たちは、約二千年ぶりに共通言語「ヘブライ語」を手に入れた。

 

厳密にいえば、聖書の「古ヘブライ語」とは別物だから「現代ヘブライ語」だね。

 

 

 

そういえば映画の主人公ルイーズ・バンクス博士も、宇宙人の言語「ヘプタポッド語」を人類共通言語とするための本を出版してたね…

 

 

だってイェフダー博士がモデルだから。

 

ヘプタポッド語とはヘブライ語のことだったんだよ。

 

 

うひゃ〜マジかよ〜!

 

なんで映画の公開当時に誰も教えてくれなかったんだ!?

 

 

なぜだろうね?

 

ちなみにビジュアル的にもヒントは散りばめられていたんだよ。

 

例えば「7本足で7本指」の宇宙人の造形とか…

 

これは8本足のタコや10本足のイカをモチーフにしただけでしょ?

 

SF映画の宇宙人像で使い古されたパターンだよ。

 

それにもし「ユダヤ」を想起させるのなら「7本足」じゃなくて「六望星」の「6本足」でしょ。

 

 

そっちじゃないんだな…

 

あの7本足は、ユダヤの燭台「MENORAH(メノーラー)」がモデルになっていたんだよ…

 

メノーラーとは「1本の本柱に6本の支柱」で合計「7本」の蝋燭を立てることのできる燭台。

 

だからこんな描写もあったわけだ。もし7本足を逆さにしたら、イスラエルの国章そっくりでしょ?

 

 

 

うわあ!

 

7本足って、そうゆうことだったのか!

 

 

さらに興味深いものもあるよ…

 

言語学者バンクス博士とコンタクトをとった二体の宇宙人「アボットとコステロ(仮)」の全体像を見てみよう…

 

 

 

大きさが人間6人分もあったのか!

 

しかしこのデザインはさすがに意味不明だろ…

 

 

僕を甘く見ないでほしいな。

 

この「アボットとコステロ」という名前は人間たちが付けた「仮名」なんだけど、僕は彼らの「素性」と「本名」を知っている。

 

彼らは「3000年前」にも「世界一の言語学者」とコンタクトをとったことがあるんだ…

 

そして彼らの本名は「BOAZ(ボアズ)とJACHIN(ヤキン)」という…

 

 

ハァ!?何言ってんだ!?

 

 

この宇宙人と「3000年前」にコンタクトをとった「世界一の言語学者」は、彼らからのメッセージをもとにして、ある有名な「建築物」を築いた。

 

だけど当時世界最高の建築と謳われたその建物は、残念ながら異民族の侵略に遭ってしまい、無残にも破壊されてしまう…

 

その後に再建されたんだけど、やはり異教徒に破壊されてしまい、そのまま2000年の歳月が流れようとしている。

 

今も消失を嘆き悲しむ人は絶えないが、再建のメドはたっていない…

 

 

それってエルサレム神殿のことでしょ!?

 

 

その通り。

 

「あらゆる生き物と会話が出来たソロモン王」が建てた最初のエルサレム神殿、通称「ソロモン神殿」のことだよ。

 

そのソロモン神殿の入り口に「ボアズとヤヒン(BOAZ&JACHIN)」が鎮座しているんだ。

 

 

へ?また人間6人分の高さ?

 

 

そしてこの「ボアズとヤキン」を「逆さ」にしてみると…

 

 

 

うわ!なんだこれ!?

 

いったい、ど、どうゆうこと?

 

 

ソロモン王は彼らをモデルにして神殿の柱を作ったってことだね。

 

「ボアズとヤキン」は「神の知恵・宇宙の真理があるメインルーム」へ通じるゲートを守る守護神みたいなものなんだ。

 

21世紀の人類に「ABBOTT(アボット)」と名付けられた「BOAZ(ボアズ)」は、その名前の意味が「IN HIM IS STRENGTH」というもので、主に「力仕事」を受け持つ。

 

そして「COSTELLO(コステロ)」と名付けられた「JACHIN(ヤキン)」は「HE SHALL ESTABLISH」という意味で、主に「知的作業や伝達」を受け持つ。

 

 

なんか阿吽像みたい…

 

 

アボットのモデルが「力仕事」担当で、コステロのモデルが「伝達」担当?

 

映画のストーリーそのまんまやんけ…

 

 

実は「ABBOTT」と「COSTELLO」も「そういう意味」なんだよ。

 

「abbott」という英単語には「ボディーガード・用心棒」という意味がある。

 

そして「costello」は「co」+「stello」になってるんだ…

 

 

「co」は「共同」って意味だよね…

 

でも「stello」って何?

 

 

ギリシャ語で「to send」という意味だよ。

 

「apostolos(派遣された者・使徒)」という言葉の中にも入っているね。

 

そしてラテン語で「星」を意味する「stella」の男性形でもあるんだ。

 

つまり「co+stello」で「共に遣わされた者・共にある星」という意味になっている…

 

 

マジですか…

 

 

テッド・チャンの原作では「flapper(やんちゃ)」と「raspberry(陰口)」なんだけど、映画では変更になったとウィキペディアに書いてあったんだ。

 

僕はこれを読んですぐに「おや?」と思ったね。

 

表向きのストーリーだけ見れば、別に変更する理由は見当たらない。21世紀の人類が勝手に付けた、ハッキリ言ってどうでもいい名前だから。

 

でも映画化にあたって、わざわざ「変更」したんだ。

 

この二体のエイリアンに、より深い意味を持たせるためにね…

 

 

世間の目は誤魔化せても、おかえもんの目は誤魔化せないな…

 

 

ちなみにあの図にあるタロットカードは「THE HIGH PRIESTESS」というカードで、日本では「高等女司祭長」とか「女教皇」とか呼ばれてる。

 

 

柱の奥にある部屋は「神の果樹園」になってて「知恵の実」がたくさん見えるよね。

 

そして二柱の中央に描かれる女教皇は何か文字が書かれた物を持っている。

 

言語学者バンクス博士みたいだよね(笑)

 

 

 

もう何も言えねえ…

 

 

それにしても図とかたくさん作ったから何だか疲れちゃったな…

 

まだ「この映画最大の秘密」まで辿り着いていないのに…

 

今回で終わらせるつもりだったけど、残りは次回にしようか。

 

 

 

もう好きにして!

 

 

 

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